とはいえ、引き分けで未来の扉が開かれることはない。両者に求められるのは勝点3。その一戦に向け、まずは直近の様子を見ていこう。
徳島は2連勝で残留圏に浮上して前節を迎えたが、同じく残留を争う横浜FCに3-5で敗戦。ただ、決してベストな内容とは言えなかったものの、先行される展開の中で一時は追いつくなど粘りは見せた。また、4月4日を最後に得点が取れず苦しんでいた垣田 裕暉が、2戦連続で2得点を挙げる活躍を見せ、チームをけん引している。攻撃のスペシャリティーである宮代 大聖も負傷離脱から復帰したことで選択肢は増えてきた。
一方で選択肢が増えたということは、指揮官にとっては判断しなければいけない材料も増えたということ。うれしい悩みではあるものの、その選択次第で結果はどちらにも転びうる。終盤戦に入り、守備でチームをコントロールしていた石井 秀典が横浜FC戦で負傷離脱したこともあり、大一番である今節・大分戦の最適解を見いだせるかどうか。
対する大分は2連勝で今節に臨む。徳島同様に、大分も前節・仙台戦は残留争いの直接対決だった。開幕戦以来ゴールがなかった渡邉 新太に2得点が生まれ、2-0の勝利を収めた。最近の大分で、特筆すべき存在は町田 也真人。好機の多くは町田から生まれており、前々節・C大阪戦では決勝ゴールも決めている。徳島戦において、カギを握る存在になるだろう。
また、徳島に所縁のあるキープレーヤーが2人いる。1人目が2019年に在籍していた野村 直輝。徳島では7得点をマークし、J1昇格へあと一歩のところまで導いた。キックの質が高く、CKやスルーパスから数多くの得点を演出してきた選手だ。そして、2人目は2018年に在籍していた呉屋 大翔。徳島を離れて以降、徳島戦で異常なほどに得点を決める。長崎在籍時の2019年はホーム、アウェイともに得点。昨季はカテゴリーが違ったため対戦はなかったが、今季は大分加入以前の柏在籍時に2ゴールを挙げている。徳島戦での得点率は驚異の100%。理由は想像もつかないが、まぎれもなく“徳島ハンター”だ。
90分後に笑うのは徳島か、大分か。勝利すれば未来の扉は開かれる。
[ 文:柏原 敏 ]


