福岡はすでに来季のJ1残留を決めているが、シーズン前に掲げた「10位以内、勝点50ポイント以上」という目標に目を向けてきた。順位の確定はまだ先だが、勝点はあと3ポイントで目標達成だ。今節でのクリアに向けて一体感は高まりそうだ。
前節・札幌戦をスコアレスドローで終え、連敗を『2』で止めた福岡。そのゲームでは札幌の攻撃力制御に焦点を当て、今季初めて[3-4-2-1]の選手配置で臨み、見事に成果につなげた。3バックシステムについて、長谷部 茂利監督は「短い準備だったが、まずまずの出来」と評価。札幌と同様の選手配置でしっかりとしたビルドアップ能力を持つ大分が相手だけに、今節もそのシステムを継続する可能性は高いように思える。
その中での課題は、札幌戦で無得点に終わった攻撃面。不慣れなシステムにより攻撃で連係不足だったことは監督・選手も認めており、約10日間の準備期間でその改善がどれだけ進んだかがキーポイントになりそうだ。
一方、大分は残留争いの厳しい戦いの中にいるが、戦績からすればチーム状態は良好と見ていい。残留を争うライバルの徳島と対戦した前節は、先制を許しながら終盤に追いつき、引き分けに持ち込んだ。連勝は『2』で止まったが、中3日で臨んだ天皇杯準々決勝・磐田戦を2-0で制してベスト4進出を決め、チーム内の好ムードは継続できているはず。
直近の公式戦4試合は連続して得点を挙げ、徳島戦を除く3試合では無失点と、攻守のバランスが整っていることも明るい材料。そして、守備の安定は攻撃の出来が良くなってきたことが影響しているように見える。
特に直近のリーグ戦3試合において、2シャドーで並ぶ町田 也真人と渡邉 新太が好調で、攻撃陣を力強くけん引している印象だ。町田は明治安田J1第31節・C大阪戦での決勝ゴールと、徳島戦で価値ある同点ゴールを決めただけでなく、多くの好機も演出。渡邉は前々節・仙台戦で2ゴールを挙げ、残留争いのライバルから勝点3を手にする上での大仕事をやってのけている。渡邉にとってはそれが開幕戦以来、約8カ月ぶりのゴール。心に余裕ができたぶん、本来のパフォーマンス発揮の大きなきっかけになるのではないか。
今季一度目の対戦は第17節。大分が長沢 駿とエンリケ トレヴィザンのゴールで2点をリードし、福岡の反撃を1点に抑えて勝利している。福岡の宮 大樹は「自分のところから先制点を許したので、もし今節で出場するなら絶対に無失点に抑えたい」とコメントしている。
そして、[3-4-2-1]なら2シャドーの一角でのプレーが濃厚な金森 健志は、「前回は自分たちのイヤなところを突かれたイメージが残っている。今回は大分の戦術に呑まれないように自分たちも良い準備をしているので、それをピッチで表現したい」と前回対戦のリベンジに向けて意欲的なコメントを残した。
それぞれが高いモチベーションで臨む“九州ダービー”は、とてつもなく面白いゲームになりそうだ。
[ 文:島田 徹 ]


