まずはアウェイの浦和だ。前節は川崎Fと対戦し、33分にジェジエウのゴールで先制を許すも、復帰したばかりの興梠 慎三を投入するなどの執念を見せ、89分にGKチョン ソンリョンがはじいたシュートを酒井 宏樹が押し込み、土壇場で勝点1をもぎ取った。優勝を阻止することはできなかったが、圧倒的な強さを見せた王者から勝点1を得たことは、残りシーズンに大きな影響を及ぼすだろう。
リカルド ロドリゲス監督は勝点3が理想だったと言いつつも、「川崎という相手やアウェイのピッチという難しいところで勝点1を勝ち取れたことは、試合の流れがあまり良くなかったことなども考えると、ポジティブな結果でもあるのかなと思います」と総括していた。この鹿島戦のあとは、横浜FM、名古屋と上位との直接対決が続くだけに、さらに良い流れを作りたいところだろう。
迎え撃つ鹿島の前節は広島との対戦だった。天皇杯準々決勝で川崎Fと対戦し、1-3と歯が立たなかった直後の試合だっただけに、4-1という勝利はしっかりチームとして立て直しを図れたことを証明する勝利だった。
4得点の内訳も良かった。アルトゥール カイキが2点に、常本 佳吾が目の覚めるドライブシュートを叩き込み、最後は史上2人目となる10代での2ケタ得点を荒木 遼太郎がPKで達成するという、チームに勢いを与えるゴールの数々。相馬 直樹監督は、このところ公式戦での連勝がないことを受け、「今日(広島戦で)作った勢いをしっかり持ち込めるように大事にしていきたい」と話す。
リーグ戦というくくりで言えば現在2連勝中ではあるものの、公式戦というくくりでは8月末に清水、横浜FMと連勝したあと、勝ったり負けたりが続いている。昨季は最終節で逃したACLへの切符を今季こそ手にしたいところだ。
今年4月に埼玉スタジアム2002で対戦したときは、浦和が2-1で勝利を収めている。明本 考浩のゴールで先制した浦和に対し、鹿島は関川 郁万の得点で追いついたものの、後半、槙野 智章がPKを沈めて勝利した。内容的にも浦和が圧倒的に支配し、ザーゴ前監督が指揮していた鹿島は覇気なく敗れてしまった。
あれから7カ月ほどが経過し、鹿島は相馬監督が指揮をとっている。ハードな守備を取り戻しているため、前回のような試合にはならないだろう。ただでさえ熱い展開が予想される対戦なだけに、互いに3位以内を目指す状況は、さらなる熱戦を呼び込むはずだ。
[ 文:田中 滋 ]

