アウェイの湘南はここまでの35試合を終えて6勝15分14敗の勝点33で15位。残留圏に位置するが、16位・清水と同勝点で、17位・徳島とは勝点3差。下位を引き離す結果が必要な状況にある。仙台との前回対戦では勝利したが、今回はどうなるか。
湘南はハードワークと攻守の素早い切り替えを多人数で実践できるチーム。今季途中から山口 智監督が指揮を執ることとなったが、その体制下でも基本原則は変わらない。ボールを取られてもすぐ取り返し、素早く多人数が相手陣内へ走り込む。このスタイルの中で巧みに攻守のバランスをコントロールする田中 聡や、ボールを奪ったあとチーム全体に前への推進力をもたらす平岡 大陽など、成長著しい若手も多いチームだ。最終ラインの一角・大岩 一貴、サイドでもFWでもゴールに迫る古林 将太、万能型FWの石原 直樹といった元仙台の選手たちも、このカードでの注目点だ。
湘南は第33節で山口監督体制初勝利を挙げたものの、その後は引き分けが続いている。特に前節・広島戦では早々に相手が退場者を出して数的優位になったが、スコアレスドローに終わった。ウェリントンら攻撃陣は今節、ゴールに迫れるか。
一方の仙台は、現在5勝12分18敗の勝点27で19位。湘南との勝点差は『6』で、残留の望みをつなぐには勝利が必要な一戦だ。今節の結果次第でJ2降格が決まる可能性もあるが、目を向けるべきはこの直接対決に勝って湘南との勝点差を『3』に縮めるチャンスがあるということ。ホームでの後押しを受けて、勝利のみを目指す。
仙台はシーズン序盤に大量失点が続いて苦しんだが、湘南と対戦した第4節もそのうちの1つに含まれる。今回はその借りを返す機会でもある。なかなか勝利に結びつかない時期を長く過ごしながらも、手倉森 誠監督が守備からチームを立て直し、夏場には元気がなかった攻撃面も最近は復調傾向にある。前節・名古屋戦では堅守の相手をコンビネーションで崩し、西村 拓真が同点ゴールを決めてみせた。その西村は現状に満足せず、「ボールを取ったあとにチームとして前を向く意識が課題」と話しており、この得点時のような場面を増やすべく中断期間のトレーニングで解決を図っている。
その西村がFWと前節で務めた左サイドハーフの両方で準備していたり、出場停止からアピアタウィア 久が復帰したりと、仙台は湘南戦に向けて戦術の幅を広げる要素が多い。なんとしても勝つために点が欲しい状況で、相手の鋭いプレッシャーをどうやって押し返してゴールを奪うか、その手段に注目したいところ。特にSBながらここまで2得点の真瀬 拓海や、前々節・神戸戦で今季3点目を決め、14日の練習試合でも得点した加藤 千尋といった若手の勢いは、仙台の大きな武器だ。そしてそうした若手に対し、「プレッシャーにつぶされないよう、良い雰囲気にしたい」とピッチ内外で援護する関口 訓充のようなベテランもいる。
両チームの意地がぶつかる総力戦。一つひとつのプレーに込められた思いを見守りたい。
[ 文:板垣 晴朗 ]


