一方の神戸もAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権が懸かっている。横浜FMを逆転して2位で本大会から出場するには勝点8差をひっくり返さなければいけないが、現在の3位を死守すればプレーオフから出場できる。すでにJ1優勝を決めた川崎Fが天皇杯も制覇した場合は、3位なら本大会から出場でき、4位でもプレーオフから出場可能だ。4位の鹿島、5位の名古屋がともに勝点5差で追いかけてきており、この試合に勝って3位の椅子獲得を確実にしていきたいところだ。
残留とACLという目標の違いが示すとおり、最下位と3位の対戦であれば神戸に分があると見るのは自然だろう。6月に神戸のホームで行われた前回対戦では、神戸が5-0と圧勝している。しかし、夏に5人の外国籍選手を補強した横浜FCは、前半戦とは違うチームに生まれ変わった。同じく前半戦にアウェイで0-5の大敗を喫した横浜FMに対し、後半戦では2-2の引き分けに持ち込んでいる。終了間際の決定機がゴールラインを割っていれば、2位を相手に勝点3もあり得た。
横浜FCにとって幸いなのは、神戸が後ろからしっかりビルドアップして、ボールを握って攻めるタイプのチームであることだ。前線からの組織的なプレスによって高い位置でボールを奪い、サウロ ミネイロや松尾 佑介らのスピードを生かしたカウンターを武器とする横浜FCにとっては相性が良い。実際に後半戦では、リーグ1位のボール支配率を誇る横浜FMには前述の通りで、2位の徳島からは5ゴールを奪って勝利している。神戸のボール支配率は4位で、横浜FCの得意な戦い方がハマる可能性は高い。
とはいえ、神戸も相手の武器が分かり切っている以上、そう簡単にスキを見せはしないだろう。W杯アジア最終予選のオマーン代表戦を火曜深夜(日本時間)に戦った大迫 勇也の出場は不透明だが、武藤 嘉紀は絶好調。また、アンドレス イニエスタ、山口 蛍、セルジ サンペールらの中盤からボールを奪うのはたやすいことではないし、トーマス フェルマーレン、菊池 流帆の両CBが築く鉄壁を抜くのは至難の業だ。
そのスター軍団がACL出場を懸けて向かってくる以上、横浜FCにとって困難な戦いになることは間違いない。とはいえ、横浜FCも生き残るために必死だ。勝負はどう転ぶか分からない。最後まで目が離せない試合になりそうだ。
[ 文:芥川 和久 ]
