残り3試合の時点で監督交代となったFC東京は、前々節・徳島戦から森下 申一監督が指揮を執ったが、その徳島戦は90分間良いところがなく完敗。J1残留争いをする相手の圧力に呑まれてしまった。
そこから1週間後のゲームとなった前節・広島戦は見違える姿を披露。戦う姿勢の部分をチーム全体で確認して臨んだ中、前半にCKから先制点こそ許したが、後半で1トップに入ったアダイウトンのダイビングヘッドで追いつくと、終了間際にカウンターから紺野 和也がビューティフルゴールを叩き込み、逆転勝ちを収めた。この勝利には森下監督も「最高にうれしい」と一瞬表情を崩しながらも、「まだホームで1試合あるので、そこに向けて準備しないといけない。次のことで頭がいっぱい」とすでに切り替えていた。
今節・福岡戦に向けて準備を進めているが、状態は良さそうだ。広島戦で決勝点を挙げた紺野に加えて、内田 宅哉と中村 帆高が長期離脱から復帰。さらにほかのケガ人も全体練習に合流している様子で、最終節に向けてメンバーがそろってきた。「調子の良い、戦えるメンバーを選ぶことが僕らの仕事」と話す指揮官が、最終節でどんなメンバーを並べるか注目だ。
トップ下で攻守にわたって走り、チームを引っ張る髙萩 洋次郎は「そういうプレーをするために毎試合、毎日準備をしているので、僕にとっては普通であり当たり前のこと」と自身については涼しい顔で、「まずはいつもどおり、チームのために、勝つためにプレーしたい。今季最後の試合なので、勝って締めくくりたいという思いだけですね。ファン・サポーターの皆さんの前で責任感を持って勝利したい」と意気込んだ。
福岡とは勝点1差であり、勝てば順位で入れ替わることができる。ホーム最終戦で勝点3をつかみ、8位に順位を上げて今季を終わりたい。
一方の福岡はJ1昇格1年目ながら、堂々たる戦いぶりを披露した。J1に昇格しても1シーズンでJ2に降格してしまい、そこから再昇格するまで4シーズンを要する“5年周期”のジンクスを難なく打ち破ることに成功しただけでなく、目標に掲げていた『勝点50・1ケタ順位』も達成。クラブ史上最高の成績を残す歴史的なシーズンとなった。
現在は3試合連続で引き分けているが、5試合負けなしを継続中。その間、無失点の試合が3試合と、1年を通して守備の安定感は抜群である。FC東京は前線に多士済々のタレントをそろえるが、最終節でも粘り強い守備をチーム全体で見せられるか。1試合1失点以下の数字を達成し、8位を死守してシーズンを終えたいところだ。
[ 文:須賀 大輔 ]
