一方、昨季は安定した戦いで着実に勝点を積み重ねてJ2を制覇、3年ぶりのトップリーグでの戦いとなる今季の第一目標が残留となる磐田。
それぞれの目標達成に向かってスタートを切る2チームだが、昨季からの変化を強く感じるのは磐田のほうだろうか。
福岡は長谷部 茂利監督が3年目の指揮を執り、新たに獲得した新戦力は5人。期限付き移籍からの復帰が1人と戦力補強はおとなしい印象で、昨季までの既存戦力をベースにさらなる進歩を狙うというスタンスを取る。
対して磐田は昨季まで甲府の指揮を執っていた伊藤 彰氏が新監督として就任。さらにアカデミーからのトップ昇格1人を含む9人の新戦力を獲得しており(期限付き移籍からの復帰は1人)、ピッチ上で表現するサッカーの印象も変わってきそうだ。
通算対戦成績は、J1では磐田が14勝2分2敗と大きく勝ち越し、J2では4勝1分1敗と福岡が先行するカードだが、今節はどんな展開になるか。
福岡の長谷部監督は「磐田はボールを動かすこと、得点を取ることが上手なチーム。今季はここ1、2年のジュビロとは違う形を発揮してくるシーズンになると思うし、その一発目でどうなるか分からないが、私たちは相手のうまさにどう対応していくか、というところを考えている」と話す。
つまり、磐田がG大阪からの完全移籍に切り替わった遠藤 保仁を中心にボールを保持してリズムを作ろうとし、福岡は昨季躍進の主因となった組織的な守備でうまく対応しながら自分たちのリズムを作る、という展開が予想される。
3季目の主将を務める福岡の前 寛之が「ボールを持たれることにストレスを感じずに、自分たちのエリアのイヤなところにボールを入れられないようにしっかりと連動し、しっかりとボールホルダーにプレッシャーを掛けることに集中できるかが大事」と、我慢強くゲームを進めたいとしているが、それはボールを握る磐田も同様のはず。焦れずに自分たちのスタイル発揮にいかに集中できるかが、勝点獲得のポイントになりそうだ。
注目選手を挙げるなら、福岡はルキアン、磐田は杉本 健勇となるだろう。
ルキアンは昨季までの3シーズンを磐田でプレー、今回が古巣との対戦となり「ジュビロには大きな愛着を感じるが、いまは福岡の一員としてチームメートを助ける、チームを勝利に導けるような働きをしたい」と静かに闘志を燃やしている。新天地でのプレーも、素早くボールを前に運びゴールを目指すという福岡の攻撃スタイルでは、自らの速さという武器を生かしやすいはずで、良いプレーが期待できる。
昨季まで磐田の得点源だったルキアンの穴埋めという意味で加わった杉本からすれば、クラブとサポーターの期待に応えられる力を持つことを初戦で印象づけたいはずで、こちらも意欲的にプレーしてくれるはず。
勝敗はもちろんだが、チームへの融合度を含めた2人のストライカーのプレーにも注目を!
[ 文:島田 徹 ]


