片野坂監督は前節・磐田戦後に「ホームで勝点3をサポーターにプレゼントできるように、選手全員で良い準備をしてチャレンジしたい」と話したが、右アキレス腱断裂による宇佐美 貴史の長期離脱に続いて、ショッキングな知らせがクラブから発表された。開幕から不在だった東口 順昭が15日に右膝内側半月板損傷で手術。エースに続いて絶対的守護神までもが離脱してしまった。一方で、新型コロナウイルス感染症による入国制限で合流が遅れていた韓国籍CBクォン ギョンウォンと、ブラジル国籍MFダワンがチームに合流。今節の出場は厳しそうだが、片野坂監督が手にするカードは増えている。
終了間際の失点で痛恨のドローに終わった前々節・川崎F戦とは対照的に、磐田戦は終盤に同点ゴールをゲット。ベンチに飾られた宇佐美のユニフォームをモチベーションに執念を見せた格好だが、選手たちはチームが歩んでいる方向性に確かな手ごたえを見せている。磐田戦は両チーム最多の走行距離をマークし、攻守でチームを引っ張る倉田 秋は「攻撃の良い形を何本も作れたことはポジティブに考えていい」と話す。
対戦相手に応じてフォーメーションを変える意向の片野坂監督だが、悩みのタネは宇佐美不在の前線の構築だ。磐田戦では途中出場のレアンドロ ペレイラがパトリックとツインタワーを構成。レアンドロ ペレイラが同点ゴールをゲットしたものの、4試合で奪った5得点のうちFW陣の得点はわずかに『1』。レアンドロ ペレイラは「100%のコンディションにもっていくのは試合に絡んでいけないと難しい部分はある」と話したが、前節の今季初ゴールが今後へのはずみとなるはずだ。
一方の福岡にとっても、喉から手が出るほど勝点3が欲しい一戦となるのは間違いない。前節・柏戦で今季初黒星を喫した福岡はここまで3分1敗で勝ちなし。長谷部 茂利監督は「しっかりやれているところは継続してやり続ける。足りないところで言うと得点のところ」と課題を口にしたが、やはり4試合を終えてわずか1得点という攻撃陣の奮起は不可欠となる。
とりわけ注目は、かつてG大阪に所属した田中 達也だ。大分時代は片野坂監督の下でプレーし、浦和に所属した昨季はリーグ戦でG大阪からゴールを挙げている。G大阪の“元ガンバ勢”に失点する悪癖は今季も変わらず、磐田戦では大森 晃太郎に先制点を許している。
ホーム初勝利に燃えるG大阪と今季初勝利が欲しい福岡。同じ1971年生まれの片野坂監督と長谷部監督の頭脳戦も見どころの1つである。
[ 文:下薗 昌記 ]
