レネ ヴァイラー監督もチームが一致団結して戦うことを推奨する。これまでも特定の個人を称えることはせず、4アシストした樋口についても「数字的に見ればものすごく活躍したことは明らかですが、彼1人でサッカーをやっているわけでなく、彼もチームの一員です。全員がものすごく良いパフォーマンスを見せてくれたことが、自分も含め、サポーターを含め、うれしくなったポイントなんじゃないかと思います」と話す。鹿島は創設以来、ジーコの教えを守って選手一人ひとりにチームのために働く献身性を求めてきたが、その根本姿勢は今季も変わらない。
対する清水はリーグ戦で3試合勝利がない。1分2敗という成績もそうだが、3試合で1得点しかできていないことは大きな問題だ。ただ、失点続きだった状況は改善。前節の神戸戦は得点こそ奪えなかったものの、スコアレスドローで終えた。平岡 宏章監督は「もっとできることもあるかもしれませんが、いま最低限のことはみんなやってくれました。最後も体を張って防いでくれたと思います。当然ラッキーなところもあるかもしれませんが、それを呼び込んだのも、自分たちがハードワークをしていたからだと思っています」と一定の評価を与えていた。
26日のルヴァンカップBグループ第3節・広島戦では20分にベンジャミン コロリが先制点を奪うと、38分にも原 輝綺が追加点。後半に1点を失ったが、2-1で公式戦5試合ぶりに勝利をつかんだ。平岡監督も「ベンジャミンが取ってくれて、ちょっと余裕ができたと思います」と勝利が遠かった状況で先制点を奪えたことが状況を変えたと喜んでいた。
清水とすれば、ようやく結果が出ただけに、これを継続したい。ハードワークで鹿島に流れを渡すことなく、先制点、追加点と奪いたいところだ。今季の公式戦で挙げた2勝はいずれも複数得点を奪えている。2点目がカギを握りそうだ。
昨季、両チームは4試合を戦って鹿島の3勝1敗。ただ、その1敗が鹿島にとっては痛恨の敗戦だった。開幕戦での逆転負けは後々まで尾を引き、ザーゴ監督の解任につながった。とはいえ、直近の公式戦10試合の対戦成績は鹿島の9勝1敗と圧倒的な結果を残している。
今季から清水に復帰した白崎 凌兵はルヴァンカップBグループ第3節・広島戦でキャプテンマークを巻いている。古巣戦となる彼のパフォーマンスにも注目したい。
[ 文:田中 滋 ]

