ホームの名古屋は前節、開幕戦以来となる2勝目を挙げた。前半早々にセットプレーから失点を喫してしまったものの、後半立ち上がりに森下 龍矢の低い弾道のクロスが相手DFに当たり、オウンゴールで同点に。
さらに終了間際には、交代出場の阿部 浩之が相手の一瞬のスキを突いて右サイドからクロスを入れると、ペナルティーエリア内で相馬 勇紀が倒されてPKを獲得。それを阿部が冷静に蹴り込んで逆転勝ちを収めた。
名古屋にとって逆転勝ちは、リーグ戦ではおよそ1年半ぶり、公式戦すべてを含めると、昨年9月のAFCチャンピオンズリーグラウンド16・大邱戦(4○2)以来となった。昨季までは、堅守をチームカラーとしてきたため、先制すれば勝率は高く、逆に先制されると苦戦を強いられていたが、今季は長谷川 健太監督が就任し、課題だった攻撃力に一定の力を注げる状況になってきたのかもしれない。
名古屋は、その劇的な逆転勝ちの勢いを今節にも持ち込みたいところだ。そのためには序盤から自分たちが主導権を握り、先制点を奪えるかがポイント。さらに言えば同点にされずに追加点を奪いたい。
名古屋の攻撃における最大の武器は、マテウス カストロや相馬などサイドの選手のスピードや突破力にある。それに加えて前節では、左サイドで先発した仙頭 啓矢が流動的にポジションを変えながら攻撃を組み立て、何度も決定的なチャンスを作っていた。決め切れていないところは悩みの種だが、こうしたバリエーションをさらに増やして、相手DFを混乱させることが“得点力”につながっていくだろう。
一方で、守備面では4戦連続で先制点を与え、2戦連続でセットプレーから失点している。昨季は無失点試合数など守備の記録を次々と塗り替えた名古屋だけに、修正は可能なはず。よりアグレッシブな守備で相手を抑え込むゲームが見たい。
対する札幌は、開幕から6試合連続引き分けと“無敗”とも“未勝利”とも言える形でシーズンを進めてきたが、前節で先に“無敗”の文字が消えた。しかも前半は1点のビハインドで耐えていたものの、60分に追加点を奪われると、そこからは相手のゴールラッシュ。結果は0-5の完敗となってしまった。
今節は、その悔しい思いを払しょくしたい一戦となるが、札幌も直近の3試合で先制点を許すなど苦しい展開が続いている。どちらが先にゴールを陥れるのか、先制点がこの試合でもポイントとなりそうだ。
また、札幌で注目したいのは、今季名古屋から移籍したガブリエル シャビエル。名古屋には4年半在籍し、2017年にはJ1昇格の立役者になるなど、チームの苦しい時期を救ってくれた助っ人だった。ファンやサポーターにも愛されていた人格者で、いまもその動向を気にかけているファンは多い。その彼が初めて敵のユニフォームを纏って戦う豊田スタジアム。どんなプレーでスタジアムを沸かせるのかも楽しみだ。
[ 文:斎藤 孝一 ]
