京都は神戸、G大阪と続いた“関西ダービー”2連戦で1勝1分という成績を残した。神戸戦は先制されたが逆転勝ち。G大阪戦はピーター ウタカのゴールで先制したが追いつかれた。結果は異なるが、共通するのは迫力ある攻撃を繰り出せている試合内容だ。第5節・FC東京戦では守備から攻撃の切り替えで上回りながら、数的有利などの状況を生かし切れず、シュートまで持ち込めない場面が散見された。その反省を生かして、ここ2試合はスピード感を発揮しながらフィニッシュまで持ち込めている。前節は相手守備陣の奮戦もあり追加点を奪えなかったが、手ごたえはある。それだけに「良いところまでは行けている。あとはフィニッシュの質のところ」(荻原 拓也)を追求していきたい。
対する鳥栖は前節、札幌に5-0で勝利。今季初スタメンとなった本田 風智が先制点を挙げ、1-0で折り返すと、後半には垣田 裕暉が2ゴール。さらに中野 伸哉はJリーグ初ゴール、藤田 直之は得意のFKから復帰後初ゴールを挙げている。素早い攻守の切り替えからのサイドアタック、ボールを保持しながら相手守備の隙間を突く攻撃でのゴールラッシュとなった。その試合では攻撃力が目を引いたが、守備では4試合連続無失点を実現しており、7試合で2失点はリーグ最少だ。ハードワークを基調としたプレス、自陣で構える際に分厚い守備陣形で見せる耐久力の高さにはどのチームも手を焼いている。開幕直前にエドゥアルドが横浜FMへ移籍し、開幕後にはファン ソッコが負傷離脱したが、田代 雅也が見事にその穴を埋めるなど選手個々の奮闘も目立つ。
京都の曺 貴裁監督は鳥栖について、「監督が代わっても“全員攻撃・全員守備”を体現している素晴らしいチーム。失点の少なさも偶然ではなく理由がある。スプリント数や走行距離もただやみくもに走って数値を稼いでいるのではなく、必要なときに前に出ており、後ろに戻っている。見ていて好感が持てるし、われわれも見習うべきところがある」と称賛する。攻守の切り替えや運動量、球際の強さなど、チームとして追求するところに共通項はある。90分間ピッチ上で出し惜しみせずに力を出し切ろうとする選手たちの姿勢もそうだ。そうした特徴がぶつかり合えば、非常に見ごたえある試合になるだろう。
また、京都橘高から京都に加入して2年間プレーした岩崎 悠人との再会を楽しみにしている人もいるだろう。抜群のポテンシャルを持て余し気味だった近年を経て、今季は左サイドという新境地で輝きを放っている。同期加入の麻田 将吾も「動きの質が高まっているし、楽しそうにプレーしている印象がある。しっかりと対応したい」と警戒する。チームとしての戦いや駆け引きはもちろん、そうした局地戦にも注目していきたい。
[ 文:雨堤 俊祐 ]

