新たな日本人指揮官を迎えてシーズンをスタートさせた両者。ただ、ここまでは川井 健太監督率いる鳥栖が5勝9分2敗と安定した戦いぶりを見せている一方で、伊藤 彰監督率いる磐田は3勝6分7敗で下位に沈んでいる。もちろん昨季までJ2を舞台に戦っていた磐田と、J1で躍進を見せた鳥栖では戦力的なベースがフラットではないものの、新体制の歩みは対照的な結果となっている。
特に磐田はここまでJ1のプレー強度に悩まされてきた。指揮官が戦略的なゲームプランを用意したとしても、その戦術の土台を支える球際の強さや切り替えの早さ、プレースピードといったインテンシティーの差を埋めないことには、安定した勝点獲得につなげていくことは難しいと突きつけられてきた。
ただ、チームを構築していく歩みの中で、その課題からは目を背けていない。この中断期間では強度の向上を図るべく、ハードなトレーニングを積んできた。さらにチームコンセプトである攻守の決まり事を再確認し、自分たちのあるべき姿を目指してきた。ここまでリーグ戦全試合に先発出場している遠藤 保仁も、「再確認という意味では良い期間だったと思いますし、トレーニングや練習試合も含めて良い部分を出せた。充実した2週間を過ごせている」と話す。中断期間での成果を実らせるためにも、再開初戦となる今節は「すごく重要」(伊藤監督)と位置づけている。サックスブルーにとっては、これまでと違う姿を見せたい一戦となる。
一方の鳥栖はJ1屈指のインテンシティーをベースに戦術的な部分も機能し、上位を狙える位置をキープしている。ここまでの敗戦数は『2』とリーグ最少で、得点数が『21』でリーグ5位、失点数も『16』でリーグ5位タイと、攻守でバランスのとれているチームだということは数字にも表れている。
開幕からJ1の強度に苦しめられてきた磐田にとっては、鳥栖の強度にどれだけ太刀打ちできるかが最も大きな試合のポイントになるだろう。「鳥栖もハードワークをしてくるチームなので、そこをいかにかいくぐれるかがポイントになる。相手のペースにならないような形に持っていきたいし、もちろん先に得点を取ってゲームを優位に進められる状況に持っていきたい」(遠藤)。
中断期間で磐田が高めてきたものが鳥栖に対してどこまで通用するか。その成果を確かめる上では、絶好の相手とも捉えられる。どちらがよりアグレッシブさを体現し、勝利をつかみ取るか。激しい攻防から目が離せない一戦になるだろう。
[ 文:森 亮太 ]
