多くのファン・サポーターやユース生たちに「ゴリさん」の愛称で親しまれた森山氏は、現在U-16日本代表の監督を務める育成のスペシャリストで、広島ユースの礎を築いた人物だ。森山氏が2002年8月から2012年まで約10年間広島ユースの監督として指揮を執っている間に、タイトルを勝ち取りながら多くのプロ選手を輩出したことで、広島ユースは日本有数の育成組織となり、森山氏が広島を離れて10年が経った現在もトップチームに多くのアカデミー出身選手が在籍するクラブになっている。
2022年はアカデミー育ちの中で最年長の茶島 雄介から今季トップチームに昇格した棚田 遼まで総勢11選手が在籍し、ユースで育ってきた選手たちがチームの骨格を担っている。特に今季は背番号7を背負う野津田 岳人がセンセーショナルな活躍を見せており、流通経済大に進学して戻ってきた満田 誠が大ブレイク中だ。大迫 敬介も日本代表に名を連ねるGKに成長し、荒木 隼人も全試合にフル出場して堅守を支えている。
「唯一無二の育成型クラブとして、30周年を迎える今季は新たに強固なクラブを作っていきたい」(足立 修強化部長)と掲げてきた方針は、ミヒャエル スキッベ監督の下で順調に進められていると言ってもいいだろう。今節もアカデミー出身選手たちを中心に、一丸となって勝利を追い求めていくはずだ。
エディオンスタジアム広島に乗り込んでくる磐田も、アカデミー出身選手たちが重要な役割を担っている。上原 力也が中盤を支え、ベテランになった山本 康裕の存在感も光る。ディフェンスラインを支える伊藤 槙人は前節J1初得点を挙げて川崎Fから勝点を奪うことに大きく貢献し、サイドで働く小川 大貴も前節6試合ぶりにピッチに戻ってきている。彼らが今節もチームを引っ張っていくはずだ。
等々力陸上競技場での川崎F戦を1-1の引き分けで終えたあと、伊藤 彰監督は「後半はすごく戦ってくれて勝点1を取れたことがリーグ戦の自信になっていくと思いますし、ここからもっとチームとして逆転できるような力をつけていかなければいけない」とコメントしている。今節もアウェイゲームになるが、自信を持ってパワーを出していくだろう。
広島は29日に明治安田J1第15節・G大阪戦を戦い、7試合ぶりの敗戦を喫した。どこまで心身をリフレッシュさせて臨むことができるかがポイントになるが、出場停止から戻ってくる野津田がチームをけん引するプレーを見せてくれるに違いない。
[ 文:寺田 弘幸 ]