ここから先、上位争いに絡めるのか、それとも残留争いの渦の中に巻き込まれてしまうのかは、今節のように近い位置にいるチームから勝点を取れるかどうかが大きく関わる。そういう意味で、今節は両チームともに負けられない、負けたくない一戦として高いモチベーションで臨むゲームとなるだろう。
ホームの福岡は前節・磐田戦において、無失点という形で3試合続いていた複数失点に歯止めをかけることに成功。同時に山岸 祐也の決勝ゴールで1-0、6試合ぶりの勝利を収めることに成功。3試合連続の複数失点で他チームに明け渡していた“リーグ最少失点”の座に返り咲いた。堅守が武器のチームだけに、その座を取り戻すことが選手の自信や落ち着きにもつながるという意味で、決して小さくはない事実と言える。
その磐田戦の無失点も、自陣に引いてなんとか守り切った、というものではなかった。連動した前線からのプレッシングでスタートする高い位置での守備。それに加えて背後を突きながらサイドにも起点を作る効果的な攻撃との合わせ技でつかんだ勝利であり、選手も自信を持って今節に臨める。
一方の京都も第10節以降、1勝2分6敗と勝点の積み上げに苦労していたが、前々節・札幌戦で3試合ぶりの得点を挙げて2-1で勝つと、前節・浦和戦も2得点を奪い2-2のドローと上向き状態にある。
特に浦和戦は前半のうちに2つのPKを献上する苦しい展開の中、そのうちの1つをGK上福元 直人が阻止。それで試合の流れを変えると、後半に2得点を奪い、一時は逆転に成功。そのリードは3分しかもたなかったが、終盤の浦和の攻勢に耐えてドローに持ち込んだ。精神的な強さを発揮しての勝点1の獲得は、巻き返しに向けての大きなエネルギーになるだろう。
前節の勝利で精神的な余裕が生まれたはずの福岡の長谷部 茂利監督は、「われわれはまだ、自分たちらしさを表現できれば勝てる、というチームではない。100%の力を出して初めて五分五分の戦いができるかどうか。それをした上で相手の特徴を出させない戦いができて勝点獲得の可能性が生まれる」と、慎重かつ謙虚な姿勢に変わりはない。
「アグレッシブでパワフルなチーム」という長谷部監督の京都に対する印象からすれば、やはりピーター ウタカを中心とした多彩な京都の攻撃を抑制できるかがカギ。磐田戦のように積極的な守備と効果的な攻撃のセットで京都の攻撃力抑止につなげることができれば、今季二度目の連勝に近づける。また、前回対戦で決勝ゴールを奪った山岸が前節でゴールを挙げて好調をキープしており、今節のキーマンになりそう。
京都は4戦負けなしで好調だった第10節で福岡に0-1で敗れ、そこから苦況に陥った。今度は福岡戦の勝利が好調への契機となるか。ここ2試合連続で複数得点を挙げて調子回復の攻撃陣がパワーで押しつつ、変化を加味することで福岡の堅守に穴を開けたい。
[ 文:島田 徹 ]


