今季は一時、5位まで順位を上げた鳥栖だが、7月は天皇杯も含めて未勝利に終わり、順位も9位まで下げてしまった。前節の清水戦では二度の2点リードを奪いながら終盤に追いつかれてしまい、引き分けに終わった。前々節の横浜FM戦でも終盤に追いつかれており、得点は奪えているものの、試合の締め方に課題を見せてしまっている。
一方の磐田は前節、湘南と対戦。先発を大幅に入れ替え、従来のポゼッションスタイルからチームカラーに変化を加えた。攻撃では背後へのアクション。守備ではアグレッシブに相手ボールを押さえにいく。モビリティーを強調したスタイルに変更すると、これが奏功する。得点こそ77分に金子 翔太が挙げた1点にとどまったが、「裏への意識とアグレッシブに守備にいくところが前半からすごく良かった」と伊藤 彰監督も評価したように、求めた変化は結果へとつながった。4試合続いていた黒星と無得点に終止符を打ち、勝点3を獲得。順位を16位へ浮上させている。
両者の前回対戦は第17節。このときは磐田が27分までに3点を奪う電光石火の攻撃で大勝を飾っている。鳥栖としては早々の複数失点でダメージを負ってしまい、難しいゲームとなってしまった。ただ、前回対戦時から磐田のスタイルが変わり、警戒すべきポイントも変わる。川井 健太監督は「彼らの一番のストロングというのは背後へのスピード感のあるアクションだと思います。ボールを押さえると同時に、ラインコントロールで相手のアクションを奪いにいかないといけない」とこの試合に向けて語っている。特に前節はリード後に疲労の影響から守備の統一感を失ってしまい、今週の練習ではその修正に取り組んでいる。その成果を図る上では絶好の相手と言えるだろう。「僕らが(前節に)もらった宿題に一発回答できるような試合にしたい」と川井監督も意気込みを見せている。
まずは残留圏内への浮上を目指す磐田にとっては、是が非でも連勝が欲しいところ。前節、変化にトライした上で勝利しており、続けて結果を残せれば新スタイルへの自信も深まるだろう。そうなれば、シーズンの残りの試合を戦う上でのポジティブな要素になる。今節は大津 祐樹とリカルド グラッサが出場停止から復帰。チームの総合力が増す中で勝利をつかみ取りたい。
鳥栖も9位ながらJ1参入プレーオフに回る磐田との勝点差は『7』と残留が安泰と言えるような状況ではない。それ以上に上位進出を目指して戦ってきた中で、このままズルズルと順位を下げるわけにはいかない。ホームでは3試合勝利から遠ざかっているだけに、ここでなんとしても勝利が欲しいところだ。
攻守にアグレッシブな姿勢を打ち出す両者。暑さの厳しい夏場の戦いで相手よりも前に出る“一歩”で上回り、勝利に近づくのはどちらか。
[ 文:杉山 文宣 ]
