最下位に沈んでいる磐田は、残留に向けて苦しい状況が続いているが、AFCチャンピオンズリーグを戦っていた横浜FMの日程を考慮して前節が10月12日にスライドしたことで、先週末はゲームがなかった。ヘッドコーチだった渋谷 洋樹氏を新監督に据えたばかりというチーム事情を踏まえても、2週間の準備期間が与えられたことをポジティブなものにしていかなければいけない。
この期間は、基本的なサッカーのベースを変えることなく、攻守両面でさらなる完成度を追い求めてきた。特に直近8試合でわずか1得点の攻撃面では、受け手には相手にとってイヤなスペースへの動き出しを果敢に求め、出し手にはその動き出しを見逃さずにボールを入れていくことを口酸っぱく要求。意識1つで変えられるところを突き詰めてきた。その意図を渋谷監督はこう語っている。
「(直近のゲームである前々節・)名古屋戦では、相手のイヤなところに打ち込んでいればカウンターを受けずに済んだところで、攻撃をやり直そうとしたときにプレッシャーを掛けられて、苦しい思いをしていた。まずは相手のイヤなところに打ち込んで、そこが完全に防がれたらやり直してもいい。まずはその意識を持ってほしかった」 思い返せば、柏との前回対戦も、同じようなシチュエーションに苦しんだゲームだった。磐田が自陣でボールを奪い返したときに、激しく襲いかかってきた柏の即時奪回プレスを回避できず、敵陣に押し返せないほど何もやらせてもらえなかった苦い記憶がある。この練習自体は、ゴールへの確率を高めるためにアタッキングサードを崩し切ることを意識させるものだったが、意識としては通じているものがある。大切にボールをつなごうとする意識が強過ぎると、相手のプレスの餌食にもなりやすい。相手が危険と認知する場所に受け手はポジションを取り、出し手は積極的にボールを入れていけるか。ゴールを奪うためにも、攻撃を組み立てていくためにも、前回対戦とは違う姿を見せたい。
対する柏も決して調子が良いとは言えない。直近3試合は勝利がなく、前節・FC東京戦は、激しい打ち合いの末に3-6で敗れている。8月に入ってからクリーンシートが一度もないことを踏まえても、この1週間で守備を立て直してくるだろう。
最終ラインは、高橋 祐治がFC東京戦の前半途中に頭部を負傷し、その交代で入った上島 拓巳も退場とアクシデントが重なっている。百戦錬磨のネルシーニョ監督は、最終ラインの人選も含めてどのような改善策を施してくるか。4試合ぶりの勝利をつかむため、指揮官の腕が問われるところだ。
磐田は残留争いのライバルとの勝点差を縮めるために、柏は上位との差を埋めていくために、欲しいのは勝点3。ここで浮上へのきっかけをつかみ取りたいところだ。
[ 文:森 亮太 ]