第31節に予定していた清水との“静岡ダービー”が、台風15号の豪雨災害の影響で10月22日に延期となっている磐田は、今節を含めてラスト5試合。この5試合で、残留ラインとなる15位までの勝点8差を逆転し、なんとかJ1の舞台に踏みとどまらなければいけない。
「まずはホームで鹿島と戦えるので、この一戦は何がなんでも勝利をつかみたい。勝たなければ何も始まらない。勝つことでここから(逆転への)スタートだと思えるようなゲームにしたい」と渋谷 洋樹監督。その道のりは極めて険しいが、大逆転への一歩を踏み出せるか。
そのためには乗り越えなければいけない課題がある。勝利がないここ6試合はいずれも先制を許しており、それが苦しい状況を招いている。その課題に加えて結果が出ていない現状を踏まえると、どうしても心理的には「失点したくない」という気持ちが働いてしまうもの。ただ、それで守備に人数を割いて引きこもっているだけでは守り切れないことを、今季何度も突きつけられてきた。「ボールホルダーにアクションすることが(失点)ゼロで終わるために必要だと伝えてきた。攻守で主体的にプレーすることが一番重要なポイントになる」(渋谷監督)。勝つためにチーム全体が一体となって強い意志を貫くことが最も大きなポイントになる。
対する鹿島は残り3試合。リーグ戦ではここ6試合で4分2敗と勝ち切れていない。加えて、ミッドウィークに行われた天皇杯準決勝では、甲府に不覚を取り、今季も無冠で終わることが決まっている。岩政 大樹監督体制となり新たなチャレンジを志している過程とはいえ、今節はなんとしても負の流れを食い止めたいと思っているはず。それだけに、鹿島も高いモチベーションで結果に執着してくるだろう。
鹿島は球際での強度や攻守の切り替えを強みとしている。対して磐田は、J1仕様のプレースピードや強度において、シーズンを通して課題を突きつけられており、改善が求められている。その部分で鹿島と互角以上に渡り合えなければ、これまでの戦いを踏まえても一方的な展開となっても不思議ではない。だからこそ、この試合を乗り越えられれば、磐田としては大きな意味を持つ。今後を左右する3ポイントを手繰り寄せるために、お互いが勝利への思いをぶつけ合う激しい一戦となるだろう。
[ 文:森 亮太 ]
