譲らない両者。開幕戦と同様、決着つかず
サンフレッチェ広島
--得点の場面を振り返ってください。ちょっとオフサイドかなと思ったんですが、笛も鳴らなかったのでプレーを止めずに、力が抜けたシュートをしっかりイメージどおりに飛ばすことができた。サイドネットかポストに当たるくらいのシュートを(イメージした)。ただ、スピードが速過ぎると曲がり切らず入らないと思っていて、緩いシュートを打とうと意識した。それがうまくいって良かったです。 --終盤にも決定機がありましたが。決定機が2本あった中で決め切ることができなかった。自分の目標も達成できなかったですし、その前にチームの勝利に貢献できなかったのですごく悔しく思っています。 --開幕前に2ケタ得点を目標に掲げ、9ゴールという結果になりました。あと一歩のところまで来ているからこそ、悔しさはあります。達成できなかったことがいまの自分の実力だと思うので、そこは真摯に受け止めて、来年、この記録を超えられればいいのかなと思います。 --チームとしては素晴らしいシーズンになったと思いますが。リーグ戦でも上位にずっとつけることができていたし、カップ戦でも二度決勝を経験できたことは、(プロ)1年目ですごく良い経験をさせてもらっていると感じています。そこで自分が試合に出させてもらったことは経験値になったので、この経験値を来年に生かしていかなければいけないのかなと思っています。
--良い入りができて理想的な前半だったと思いますが。相手はマンツーマンでハメにくるのは分かっていたので、相手の脇を突いてCKを奪う。それで早い時間帯で先制点を取ることができたし、後ろも無失点で折り返せたので、良い前半だったと思います。 --後半の入りも悪くなかったが、ミス絡みの失点で流れを悪くしてしまった感じでしょうか。失点はちょっとアンラッキーなところもありましたが、ディフェンスとしてあの時間帯で失点してしまったことはもちろん良くはないです。ただ、それよりも連続失点のほうが問題だったかなと。失点したところでチームを鼓舞して立て直せなかったのは、後ろで出ている自分としては責任を感じています。 --ミヒャエル スキッベ監督は連続失点後に持ちこたえたことを評価していました。失点のところは自分含めて、チームとしてもちょっと集中力が欠けてしまっていたかもしれない。ただ、そのあとは、自分も中でやっていて感じましたけど、もう1回ギアが上がったというか。そこから盛り返して得点のチャンスも作れたと思うし、相手も足が止まるようなところがあったので、あそこでもう1つ取れていれば、良い形で終われたんじゃないかなと思います。 --シーズンを振り返って。チームとしては良いシーズンだったと思います。天皇杯で準優勝、ルヴァンカップで優勝、リーグ戦で3位。個人としても良い、悪いは両方ありました。良い部分はこのチームにいられたこと。優勝や3位に関われたのは良かったと思います。個人としてもう少し頑張っていかないといけないと思うところは、良いチームにいることは悪いことではないと思っているが、乗り越えていかないといけない壁が目の前にいる。移籍してきて「鉄板の3枚」と言われるような3バックの選手たちがいるところに割って入っていこうとしていて、1年半が経っている。そろそろ超えていかないと、自分のキャリア的にも難しい感じになるんじゃないかなと思っているので、来年もっと頑張っていこうと思えたシーズンでした。
サガン鳥栖
監督
ホーム最終ゲーム、今季最後というところで、もちろん勝点3を手にするために戦いましたし、それを皆さんが望んでいることも分かっていました。ただ、その中でいまできるわれわれのベストゲームは披露できたのではないかと思います。選手たち、スタッフ、ファン・サポーター、この雰囲気を作り上げてくれた、フロントスタッフの方々を含めて感謝を申し上げたいなと思います。 --「観客を魅了する、最終戦で一番良い試合をする」と常々言われていましたが、そこに関して今日の試合はいかがですか。そこはしっかりと客観的にも見ながらシーズンを振り返らないといけませんが、本当に現段階で、今日の後半は特にピンチもありましたが、メンタリティーは今季最高だったと思います。中身の部分も僕は非常に満足いくものがありました。ただ、あとちょっとという部分は、「まだまだやれるな」と「ダメだった」じゃなくて、「ここを修正すればもっと良くなるな」という部分が見えたので、葛藤しながら来季に挑んでいきたいなと思います。 --今季、上を目指してこられましたが、ルヴァンカップを制覇したチームと対戦して、タイトルを獲るために何が必要だと感じましたか。本当にさまざまな角度からタイトルを獲るチームは見ることができると思います。一般的にいう勝負強さだったり、個の能力だったり、チーム力だったり。いま、3つのワードを挙げましたが、おそらく皆さんの頭の中もぼんやりしていると思います。それはおそらく数値化できないところで、そこを埋めていく作業は本当に難しいです。でも、この鳥栖でそれができると僕は思っています。ほかのチームはそれをやっていればチャンピオンになれるということと、もしかすると別角度からチャンピオンになる道を探すのも1つかもしれません。間違いなく言えるのは一人ひとりが成長すること、一人ひとりが11人でのフットボールを展開していることは間違いないので、一般的にいう能力を上げなきゃいけないのは間違いないです。なので、答えにはなっていないです。 --ご自身も選手も面白く感じるサッカーを意識されてきましたが、シーズンを終えて面白かったと思えますか。思えますね。やはり、僕らは喜怒哀楽を与える職業であり、もちろん喜びを与え続けることが最高ですけど、喜び続けることにも人間は飽きてしまうもので、そのバランスが非常に難しいと思います。ただ、面白いって意外性だったり、今日も前半は0-2で負けていて、前節の湘南戦の流れを見ると、そのまま失点して負けるという感覚に多くの皆さんがなったと思いますが、それを覆す面白さ。そういうものだと思います。今季、この逆のイヤな思いもしましたが、ただ、何かを変化させるということは今季常にやってきましたので、そこをもっと安定させないといけないんですけど、面白いという意味ではもっともっと面白さを出せるという手ごたえを今季つかみましたし、彼らもつかんだと思います。今までの正解という概念をちょっと壊して、われわれが正解を作っていくという考えになりつつあるので、面白さをあと少し出せるようになると思います。
サンフレッチェ広島
監督
今日の総括の前にこれまでも、今季すべての試合においてプレスの方々とも非常に良い関係を築きながらやってこれました。それについては非常に感謝しています。ありがとうございました。また、この場を借りて、ホーム、そして特にアウェイで力強い後押しをしてくれたファミリーの皆さんには感謝の意を申し上げたいと思います。それから、われわれコーチ陣、メディカルスタッフ、マネジメントスタッフなどクラブ関係者にも感謝の意を申し上げたいと思います。何よりも自分たちの選手に感謝したいと思っています。これまでのシーズン、Jリーグ、天皇杯、ルヴァンカップとすべての試合において、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたと思っています。 今日はこのような素晴らしい環境の中、ほぼ満員に近いような、たくさんの観客の前でプレーできたことは両チームにとって素晴らしいことだと思っています。今日は自分たちの選手にすごく誇りを持てるパフォーマンスだったと思います。特に前半は自分たちの素晴らしいサッカーができたと思っていますし、後半も立ち上がりまでは良かった。ただし、失点してしまった5分間は少し悔やまれるところです。ただ、そのあとはしっかりと持ちこたえて残りの20分、25分というところを強いメンタリティーで盛り返せたところが素晴らしかったと思います。 ここからはオフに入るので、W杯でも見ながら、のんびり過ごしていきたいなと思っています。そのあと、また1月にみんなが集まって、サッカーができることを楽しみにしています。W杯ではドイツと同様に日本を応援しています。 --3位という成績を振り返って。今季、上位として1年間を過ごせたということは言えると思います。それから、3位ではありますが、上の2チームとちょっと離されてしまったということは挙げられると思います。横浜FMが優勝したことについては「おめでとう」と伝えたいと思います。3位ということでACLの出場権が獲得できるかもしれないという状況になりました。ただ、その条件としては浦和が(ACL)決勝で負けるというものがついてきます。浦和について言うと、決勝でも日本のクラブとしてしっかり戦ってほしいですし、結果を残してほしいという気持ちもあります。 --今日の試合もそうですが、シーズン中にも連続失点することがありました。その要因と改善については?今日の2失点について言うと、偶然、その時間帯が重なったというところが正しいかと思っています。1失点目についてはアンラッキーな失点でした。2失点目についてはあのタイミングで(失点が)来なかったとしても相手の素晴らしいCKからだったので、結果として連続しての2失点という形になりましたが、そうではなかった可能性もあったと思います。2失点したあと、しっかり持ちこたえたというところがむしろ評価したいポイントで、それができるのであれば、来季に向けても大丈夫だと感じています。
サガン鳥栖
DF 24
長沼 洋一
--対戦前は「やりづらい。正直、イヤです」と言っていましたが、実際に古巣戦を終えてみての心境は?イヤでした(笑)。前半、ああいう形で失点してしまって、なかなか難しい試合運びになってしまいました。ただ、後半しっかりとギアを上げて2点取り返すことができたし、逆転まで持っていきたかったですけど、ここ最近の試合よりもはるかに良い試合ができたんじゃないかなと思っています。 --従来の右ではなく左でのスタートでしたが、与えられていたタスクは?いや、何も言われていないんですよ(笑)。どうして左右を入れ替えたのかも分からなくて。僕自身、右でも左でも両方できると思っていますし、どっちが良くて、どっちがやりにくいとかもない。(岩崎)悠人も右での可能性というか、良いきっかけみたいなものをつかんだと思いますし、お互いが左右(どちらも)できれば相手によって変化できるオプションにもなる。プレーについても今日は良かったかなと思っています。 --古巣戦を終えてみて、来年以降、かつてのホームでプレーすることや古巣戦に臨むことが楽しみになるような気持ちが芽生えたりはしていませんか?楽しみですけど、対戦するのはやっぱりイヤですよ。特別なチームであることに変わりないので、気持ちも変わらないのかなと思っています。ただ、再来年、(広島に)新スタジアムが完成する予定なので、そこに行くのは楽しみです。広島のサポーターの方々には僕がチームを離れても応援していただいていますし、ピッチで再会できるのはサッカーの素晴らしいところだと思います。選手としての価値みたいなものを感じたので、うれしかったですし、良い結果やプレーで見せて、「長沼、頑張ってるな」と思ってもらえるようにありたいなと思います。
MF 29
岩崎 悠人
--チームの戦い方として、シーズン序盤のようなシャドーが落ちてウイングが出口になるという形を強調していたような印象でした。シーズン開幕直後も背後、背後という意識でチームとして狙っていて、うまくいっていた。初心に戻ってというか、シーズンの最初の時期に戦術の決まり事としていたことをもう1回やろうというのはミーティングでもあったし、選手間でも話していました。パギさん(朴 一圭)とも話したんですが、パギさんから自分とナナくん(飯野 七聖※現・神戸)にシンプルに蹴っていた時期はうまくいっていたので、「そういうのももう1回やろうよ」とパギさんから話もありました。そこは意識していました。 --チームとしてさまざまなトライをしてきたが、そうやって少し意識するだけで原点に戻れるというのは、ベースがしっかりと根づいているという証拠でもあると思いますが。1年間、いろいろなことにチャレンジしましたけど、立ち返れる場所があるというのは、監督の何かをチームに浸透させる力のすごさをあらためて感じました。 --右でのプレーについてはどうでしたか?もう少し、個人で局面を打開したいシーンもありましたし、クオリティーが低くてミスになったシーンも多かったので、来季はそこの部分で結果につなげていけるようにしたいなと思います。 --前節・湘南戦は失点するごとにトーンが落ちてしまったが、今日はメンタリティーを落とさずに戦えていたと思います。勇敢に戦うとか闘争心みたいなところが、ここ2カ月くらい新しいチャレンジをしていく中で薄れてしまっていたところがあったのかもしれない。湘南戦が終わって、そこをミーティングでも再確認しましたし、選手それぞれが分かっていたと思うので、今日は良いメンタリティーで戦えたんじゃないかなと思います。
DF 30
田代 雅也
--早い時間での失点という難しい入りになりましたが。失点した形としてはちょっと事故的なところもあったので、正直、そんなに気にはしていなかったです。ショートパスで後ろからすべて広島さんのプレスをかいくぐれればベストだったかもしれないですが、そうではなくて、1つ飛ばしたり、ワイドの個性を生かすような前進の仕方というのが前節(・湘南戦)にはなかったんですが、今日は最初からそれを出せたのが良かったのかなと思います。そこを起点にしてセカンドボールを拾うという戦い方もできていたので、そこは前節からの改善という意味では良かったのかなと思います。 --前節は失点するごとにトーンが落ちてしまったが、今日はそういうこともなかったと思うが。ここ最近の悔しい気持ちをみんなが持っていたと思うので、なんとかやってやろうという思いは出せたのかなと。勝ち越しまではいけなかったですが、表現はできたのかなと思っています。 --川井 健太監督が就任して、昨季とはまた違うサッカースタイルに取り組みましたが、自身にとってはどんな成長につながりましたか?いろいろな学びがあった1年だったなと思います。飽きずに1年間できたので、それは監督やスタッフの方々に感謝したいと思いますし、この1年間、本当に全員がサボることなく練習していたので、そういう仲間たちにも感謝したいです。 --チームが新しい取り組みを始めた時期に、ケガもありましたが、出場機会を失う形になりました。その時期に課題として見つめていたことは?正直、ウチのチームの守備陣は良い選手ばかりなので、僕が出場機会を得られなかったことも僕自身は受け入れることができていました。悔しい気持ちはもちろんありましたけど、試合に出ている選手へのリスペクトもあるし、出ている選手たちが見せているプレーを僕ができるようになれば、もっともっと成長できると思っていました。これといった何かというよりは、出ている選手たちが見せてくれたものに、いまの僕に足りないものが詰まっているんじゃないかなと思っています。