「流れを変えて勝利にもっていくことは簡単なことではありませんでした。選手たちのハードワークを評価したいです」 マチェイ スコルジャ監督は選手の頑張りを称えたが、小泉 佳穂は「2連敗してもいい雰囲気だった」とも語る。
プレー面では、新スタイルを発揮する上でのバランスに苦しみ、個々の連係もチグハグなものが目立っていた。それでも、前節で『円陣参加事件』を引き起こしたヴォイテク イグナチュクや池田 伸康ら、新たなコーチ陣が明るい雰囲気を作り続ける。
ポジティブな空気が流れる中、徐々に連係もかみ合い、「冷静さを保ちながらモチベーションも維持してという、良いバランスでチーム全体ができるようになってきた」(小泉)ことによりパフォーマンスが上昇。1試合ごとに内容を向上させながら、結果を手繰り寄せてきた。
しかし安閑としてはいられない。マチェイ スコルジャ監督は「われわれにとって簡単なスケジュールではありません」と状況を語り、そのとおりに難しい相手との試合が続く。前年王者・横浜FMや苦手なC大阪など厳しい開幕3戦を終えたかと思えば、前節は3連勝の神戸。今節も無敗の新潟が浦和駒場スタジアムに乗り込んでくる。
その新潟の好調を支える中心選手として、そしてもう1つの理由から、今節の対戦で最も注目されるのが伊藤 涼太郎だ。2016年から在籍した浦和では思うような活躍ができなかったが、数度の期限付き移籍を経て、昨季に新潟への完全移籍を決断した。
昨季のJ2を席巻した勢いで、今季もインパクトのあるプレーを連発。いま最も注目されるJリーガーの1人と言っていいだろう。伊藤 涼太郎と数カ月だけ浦和で交わった小泉もリスペクトしている。
「去年も彼のプレーを見ていましたが、意識してないと言ったらうそになります。サッカーがうまい選手だし、合う指導者と巡り合えば化けると思っていたけど、そうなったと思います」(小泉) 同じく、あまり一緒にプレーすることのなかった伊藤 敦樹も「うまい選手だけど、今季は怖い選手になっている。(相手守備の間で)浮くのがうまいので、ディフェンスラインと連係したい」と伊藤 涼太郎を警戒している。
そして、西川 周作は「本当にいまはのびのびしているなと思うし、結果を出している」と現在の活躍に目を細めながらも、「浦和では王様にさせなかったですからね(笑)」とプライドものぞかせる。
「技術は間違いなくて、人が考えないようなプレーをする。逆に、浦和のときもそうだったけど、彼が奪われたときはピンチになる。それを狙わないといけないです」(西川)と、新潟のストロングを狙うべきポイントとも考えている。
伊藤 涼太郎だけでなく、浦和ではもう1つ活躍し切れなかったトーマス デンも主力CBとして活躍している新潟。サッカースタイルも陣容もまったく変わっているが、リーグ戦では2006年7月を最後に負けていない相手でもある。
かつての仲間を温かく迎え入れつつ、浦和も以前のままではないことを、進化を遂げていることをピッチの上で示したい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
