ただ、それぞれエクスキューズのつく試合でもあった。第16節は、互いに上位をうかがう鹿島との好ゲーム。スコアレスだったが、見ごたえのあるプレーが続いた。続く第17節は下位に沈む横浜FCから勝点2を取りこぼした格好だが、戦い方を変えた横浜FCが上り調子になっていたタイミングでもあった。そして第18節も、以前のような輝きを取り戻しつつある川崎Fと痛み分け。それぞれの試合内容が極端に悪かったわけではない。しかし、こうした試合が続いたため、上位との勝点差を詰められなかった。AFCチャンピオンズリーグの影響で消化試合が少なかったが、今節でいよいよ並ぶこととなる。首位・横浜FMとの勝点差9を縮めるために、今度こそ勝利が求められる。
そのためには一にも二にも得点力がポイントとなるが、川崎F戦では自慢の守備にも少し不安があった。同サイドに人数をかけて細かくつないでくる川崎Fに対して、人の移動が多くなり、守備組織が乱れることがあった。最終的な中央の堅さは維持していたが、プレスの連動も含めて全体的な守備のバランスは見直しておきたい。
そしてもう1つ、川崎F戦では危険なカウンターを受ける場面が何度かあった。72分の瀬川 祐輔とGK西川 周作が1対1になったようなシーンは、今季の浦和では珍しい。選手たちがリスクをかける重要性を語っていた影響もあっただろうか。
「そんなことはないですけど、ただ、気持ち的にはそうだったのかもしれない。正直、前に残ってしまった場面も多かったですけど、逆に後ろに託したというか。『頼む、あとはやるから。こっちは攻撃頑張るから』という。良い意味で攻と守の仕事を任せ合ったのかなという感じもあるし、今まではなかなかなかった展開かなとは思います」 先制ゴールを挙げた関根 貴大はそう心境を振り返った。「ただ人数をかければいいわけではない」と以前に語っていた関根だったが、攻撃の連係向上がすぐには見込めない現状で、やはり多少のリスクテイクも必要になってくる。そのためにせっかくの守備力が低下しては元も子もないが、ベンチとピッチ内で探りながらリスクをとっていく判断も必要だろう。
一方の湘南はより悩みが深い。今季のスタートはそこまで悪くなかったが、その後は低空飛行が続いて、ついに直近の第18節で最下位に転落。0-6の大敗を喫したその鳥栖戦後には、ゴール裏への挨拶時に厳しい言葉も飛んだ。山田 直輝は「『全員が1つの生き物となって頑張ってほしい』と言われていると思っている。それが湘南だと思う」と受け止め、今節での再起を期した。湘南にとっても正念場だ。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
