両者の前回対戦は5月20日。駅前不動産スタジアムで行われた一戦は、2-0で鳥栖が勝利している。鳥栖は高い位置からのマンツーマンプレスで新潟を押し込むと、11分にCKから小野 裕二がニアサイドで合わせて先制。その後は鳥栖がオーガナイズして守り、新潟がボールを保持する展開となるが、新潟はシュート15本とチャンスを作ったものの、決め切れず。終盤には鳥栖が再びCKでニアを狙った場面でPKを獲得し、元新潟の河田 篤秀が決めて突き放した。
リーグ前半戦の新潟は先制され、守られる展開になると苦しむ傾向が目立っていたが、J1での戦いを1巡して学び、後半戦は連敗することなく勝点を積み上げている。特に9月は4戦負けなしと堅調で、先制された第26節・浦和戦、第27節・G大阪戦でも、新潟らしくボールを動かして相手の消耗を誘いながら、終盤の一刺しで追いつく粘りを見せている。また、前々節は横浜FCに3-1で勝利し、前節・川崎F戦は一進一退の好ゲームを3-2で勝利。今季初の連勝と勢いに乗っている。
また、指揮官の交代策も効果的で、9月の4試合では小見 洋太、三戸 舜介、高 宇洋、太田 修介がいずれも途中出場からゴールし、勝点獲得に寄与している。そして、この4試合でFWからDFまで計7人の選手が点を挙げている点も、“松橋アルビ”の総合力向上を示している。
2試合連続で3得点の新潟は、リーグトップのポゼッション率をさらなる得点に結びつけるために、より前へ前へと、攻撃の鋭さを増すトレーニングを行ってきた。2試合連続ゴールを狙う鈴木 孝司は「鳥栖は前から守備に来てくれるチームですし、ボールを大事にする。同じ土俵でサッカーをしている中では、負けられない」と意気込む。
対する鳥栖は前節・京都戦で9試合ぶりの勝利を収めた。4試合ぶりに先発した小野が豪快なミドルシュートでゴールを決めて先制。一度は京都に逆転されたが、途中出場の横山 歩夢がドリブルで何度も仕掛けてリズムをつかむと、後半アディショナルタイムに原田 亘、ファン ソッコのゴールが生まれて、3-2で勝利している。
鳥栖もまた、ここからの浮上を期するチーム。今節は勝点1差の新潟に勝利すると、順位が入れ替わる。チーム走行距離、スプリント回数はいずれもリーグトップと、アグレッシブさが際立つチームであり、最後まで縦への勢いは落ちない。攻守が切り替わる局面での攻防は必見だ。
そして鳥栖には、元新潟の河田と福田 晃斗が所属する。新潟の高木 善朗は昨秋、右ひざ前十字じん帯を損傷した際、同じケガから復帰した福田にすぐに連絡し、アドバイスを仰いだ。ケガをする以前よりパワーアップして復帰した福田の存在は、リハビリ中の励みになったという。前回対戦時、福田はメンバー外だったが、今節はピッチで再会できる楽しみもありそうだ。
またベンチを見ると、鳥栖の川井 健太監督を支える菊地 直哉ヘッドコーチ、小川 佳純コーチの両名も、現役時代は新潟でプレーしていた縁がある。新潟サポーターにとって、興味深い一戦となりそうだ。
[ 文:野本 桂子 ]

