川崎Fはなかなか調子を上げられず、明治安田J1第5節の“多摩川クラシコ”で内容でもFC東京を圧倒して3-0で勝利したあと、直近3試合は未勝利と無得点が続いている。
前節・C大阪戦は決してチャンスがないわけではなかった。数多くのピンチをしのいだわけでもなかった。だから1点差、最少得点差の0-1というスコアは妥当だったのだが、結果としてC大阪が首位に立った理由、そして川崎Fが勝ち切れない理由を示したような試合だった。
一方、C大阪戦の翌日に行われた千葉との45分×2本の練習試合は、4-2で勝利 。C大阪戦に出場しなかった選手たちが多く出場する中 、小林 悠、山田 新、そしてこの試合が実戦復帰となったバフェティンビ ゴミスがゴールを決めた。さらに大島 僚太が昨年7月以来の実戦復帰という明るいニュースもあった。
また、「トレーニングマッチもチームの一部だし、そこに元気があるとチーム全体も元気になる」(鬼木 達監督)ことも手伝ってか、活気のある良い雰囲気で行われた16日のトレーニングでは、昨年12月と今年1月に手術していた宮城 天、車屋 紳太郎も部分合流。公式戦の復帰はまだ尚早だろうが、主に最終ラインにケガ人が続出する一方、長らくチームから離れていた選手たちが戻ってくることはチームの雰囲気にもポジティブな要素となる。
その16日にはサイドからパスをつないで相手の背後を取り、フィニッシュまで持ち込む攻撃の崩しのトレーニングに励んだ。クオリティーを上げることはそう簡単ではないが、チームで共通認識を持ちながら川崎Fらしい鮮やかな攻撃で東京Vゴールに迫りたい。
対する東京Vはここ5試合負けなし。順位表の直近5試合の結果は、首位・C大阪、2位・広島、8位・名古屋とともに“真っ白”なのだが、そのうち引き分けが4つと勝ち切れてもいない。
前節、J1では実に16年ぶりとなった“東京ダービー”は前半のうちに2点をリードし、相手に退場者が出たものの、数的優位となった後半に守り切れず、アディショナルタイムに失点を喫して勝利を逃した。城福 浩監督や選手たちは悔しさをあらわにしていたが、いま求められるのは次に進み、その経験を生かすこと。FC東京と同じく長年J1で戦い続け、さらに2017シーズン以降で四度のリーグ優勝と、実績と経験では圧倒される川崎Fが相手だが、“東京ダービー”を含めた8試合の成長と経験をぶつけたい。
川崎Fにとっては鬼木監督の誕生日当日という付加価値のある試合であるが、東京Vとしては相手に笑顔で指揮官のお祝いをさせるつもりもないだろう。
順位を見れば、16位と15位の対戦。ただ、優勝を目指す川崎Fはもちろん、東京Vも昇格チームだからといって下位に甘んじるつもりはないはず。1試合に焦点を当てれば勝敗や展開に順位は関係ないと言われるJリーグだが、その評価を裏付けるような熱く、レベルの高い攻防を期待したい。
[ 文:菊地 正典 ]


