6月30日の明治安田J1第21節・FC東京戦以来勝利がない福岡だが、鳥栖戦と前々節・磐田戦では無失点。それまで9試合連続で失点を喫していた守備面の改善が見られる。もともと堅守が武器のチームであり、最大のストロングポイントの回復に手ごたえを得たことは明るい材料と言えるだろう。
当然、勝利のためには得点が必要で、4試合連続無得点というところにフォーカスして今節に臨む必要がある。しかし“良い守備から良い攻撃へ”というのがもともとのチームとしての考え方。3試合連続で複数得点を挙げている名古屋の攻撃力を踏まえて、長谷部 茂利監督は「3連勝で好調、またサブも含めてタレントがそろう名古屋に対して失点しないことがどれだけ大事なことか」と、まずは無失点を継続することが重要だとの考えを持っている。
とはいえ、攻撃面の改善・強化には日々の練習で取り組んでおり、カウンターやクロスというチームの武器を生かした攻撃をどのようなボールの運び方で実行するのかや、アタッキングサードにおけるグループでの崩しの形の確認作業などをしっかりと進めている。この名古屋戦でそれらの成果が出る可能性は十分にある。
一方の名古屋は、磐田戦後に長谷川 健太監督が「紆余曲折がありながら、苦しい戦いを経験して、選手たちも柔軟に戦えるようになってきたと思う」と語ったように、試合運びに落ち着きが出てきたことに手ごたえを感じている。
今節はボランチとして先発出場が続いていた椎橋 慧也が累積警告による出場停止で、その穴埋めをどうするのか、どうバランスをとるのかは1つの注目点になりそうだ。ただ、そうした懸念材料を払しょくできるくらいにチーム状態は良く、磐田戦では森島 司が4月3日の第6節・札幌戦以来となる今季3ゴール目、また椎橋の相棒として先発出場を続けている稲垣 祥も同6ゴール目をゲットするなど、複数のポジティブな材料がそろっている。
福岡が古巣となる山岸 祐也は負傷離脱していたが、すでにトレーニングマッチで試運転済みで、古巣戦で第28節・湘南戦以来のリーグ戦復帰を果たす可能性もある。三國 ケネディエブスも福岡でプレーしていた選手で、福岡サポーターにとっては彼らのプレーを久しぶりにベスト電器スタジアムで見るのは楽しみだろう。
今季一度目の対戦は第7節で、スコアレスドローに終わっている。昨季のリーグ戦は1勝1敗、一昨季は名古屋の2勝。対照的な現状にあるチームの今回の勝負は果たしてどんな結末を迎えるのか。
[ 文:島田 徹 ]


