福岡の長谷部 茂利監督は「守備が堅い。キワのところでゴールも、ボールも取れる。研究してもそれを超えるレベルのプレーを見せられるチーム」と名古屋のチーム力を高く評価し、これまで同様に警戒感を強めている。
しかし、その名古屋は前節・横浜FC戦を引き分けて連敗を『2』で止めたものの、3戦勝ちなしの状況にある。マテウス カストロの移籍、森島 司や前田 直輝、中島 大嘉ら新戦力加入による調整でチームバランスが少し乱れた結果だろうか。
一方の福岡は好調な状態にある。8月30日の天皇杯準々決勝で湘南を下し、同大会クラブ史上初のベスト4進出を決めると、前節・FC東京戦を2-1で制してリーグ戦での連敗を『2』でストップ。さらにJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝でFC東京を下し、昨季に続いて4強入り。9月12日には長谷部監督との契約更新を発表した。
つまり、過去の対戦成績だけで名古屋の勝利の可能性が高いと判断するのは、必ずしも正しくはないのかもしれない。
福岡が2017年のJ2第19節以来となる勝利をつかんで名古屋戦の連敗を阻止するためには、失点をしないことはもちろんだが、名古屋の堅守を破る攻撃を仕掛けられるかどうかに懸かっている。
チームトップの8得点を挙げている山岸 祐也も「守備がしっかりしているチーム。チームとして守備時に帰陣するスピードもあるし、戻るポジションも的確。後ろの3枚は個の能力が高く、非常に堅実」と名古屋の堅守を認めている。その上で「名古屋は若くて良い選手が多いが、それでも1試合の中で緩む時間やスキができるときはあるはず。そこをうまく突けるよう、常に集中力高く準備をしておくことがとても大事」とも話している。自身とチームの攻撃面での好調ぶりに自信を持って粘り強くチャンスを作り続ければ、名古屋の堅守を崩すことは十分に可能だと考えているようだ。
攻撃がポイントとなる福岡だが、リーグ戦でともに4ゴールを挙げている佐藤 凌我とルキアンが、ルヴァンカップ準々決勝で負傷したことはマイナス要素。それでも、山岸が公式戦出場3試合連続でゴールを挙げていること、名古屋の守備陣を苦しめるのに十分な高さとパワーを持つウェリントン、福岡大の先輩である永井 謙佑を前にして燃えるだろう鶴野 怜樹など、負傷者の穴埋めに十分貢献できる選手も控えている。
一方の名古屋は、主に攻撃陣に新たに加わった選手たちの戦術浸透度とコンディションの向上が、4試合ぶりの勝利と福岡戦での連勝を伸ばすポイントになりそう。その点に関しては森島が4試合連続で先発して実戦の中でコンビネーションを高めており、前田と中島はともに5試合連続で途中出場する中でチームになじんできている。特に中島は、前節で短い出場時間ながら長谷川 健太監督から「今後を感じさせるようなプレーを見せてくれた」と評価を受けていた。彼らがそろそろ結果を残しそうな気配が漂っている。
[ 文:島田 徹 ]


