両者は今季二度対戦して、町田が2勝を収めている。いずれも町田のホームで行われ、前半の比較的早い時間に町田が先制点を挙げている。持ち味である相手のビルドアップのミスを誘う守備から、鋭いショートカウンターでゴールを奪い、主導権を握るとハードな守備で鹿島の攻撃を封じてきた。過去2戦がそうした試合展開だったこともあり、鹿島のゲームメーカー・柴崎 岳は「Jリーグの序盤で戦ったときもそうですし、ルヴァンカップで戦ったときもそうですけど、相手のペースになることが多かったので、やっぱり自分たちがどうしていくか、どうするべきかを試合の中で判断していくことが大事になる」と話す。相手の土俵での勝負を完全に避けることはできない以上、そこからどうやって自分たちのほうに優位に運んでいくかが問われることになりそうだ。
ただ、鹿島はこれまでの対戦がランコ ポポヴィッチ前監督体制だったのに対し、いまは中後 雅喜監督がチームを率いている。就任後5試合で計1失点と守備が安定しており、攻撃陣が個の能力の高さを見せた第35節・川崎F戦(3○1)や前節・C大阪戦では序盤に2点のリードを奪うことで主導権を握ってきた。それらのゲームは最初のチャンスをモノにできたことが試合展開を大きく左右した。県立カシマサッカースタジアムで行われた昨季のJ1最終節・横浜FC戦でゴールを決めた鈴木 優磨は「去年も最後取って終われたので、今年も取ってチームを勝たせて終われれば自分としても最高だし、チームとしても最高かなと思います」と意気込む。
唯一懸念点があるとすれば、鹿島は3バックを敷く相手に苦戦することが多いことだろう。中後監督がチームを率いるようになってからも福岡、名古屋と3バックの相手にはあまりチャンスを作ることができず、スコアレスドローで終えている。
お互いにとって今季の集大成になるだけに、いま持っている力のすべてをぶつける戦いが予想される。
[ 文:田中 滋 ]

