鳥栖が功労者のラストに花を添える快勝劇。敗れた磐田は1年でのJ2降格に
サガン鳥栖
監督
選手たちが磐田を上回る気持ちというか、ベースのところでしっかりと90分間戦ってくれた結果だと思います。 --磐田を上回った部分というのは具体的に?選手たちにいつも伝えているのはベースのところで、強度であったり、(試合の)入りだったり、前を意識することや戻ること。球際、一歩のところなどそういう部分は常に求めているので、それを最終戦で全員が出してくれたんじゃないかなと。そういうところです。 --内容も結果も伴って最終戦を終えられたことについて。さっきも言ったんですが、降格という事実は変わらないんですが、選手たちがしっかりと、僕が就任してからの4カ月間やり続けてくれた結果が最後の3勝につながっていると思うので、すごく大事な試合だったんじゃないかなと思います。 --就任からの4カ月を振り返って。残留を期待されて監督にしていただいたと思うので、そこにたどり着けなかった、届かなかったというのは本当に自分の責任だと思います。ただ、選手たちは日頃、日常から100%でトレーニングに臨んでくれましたし、そういう意味では選手たちに感謝しています。 --現役引退を表明していた岡本 昌弘選手と藤田 直之選手を途中から起用しましたが、プランは考えていたのでしょうか。点差は考えていなかったです、正直なところ。ピッチに立たせてあげたいなという気持ちはありました。ただ、それ以上にチームとして勝ちたいという気持ちもあったので、何か良い経験というよりは送り出すときもしっかりと勝ちに貢献してもらえるような、そういう話をして送り出しました。 --2人のプレーについては?十分、今日の勝利に貢献してくれたと思いますし、それは皆さん見ていただいて感じたことだと思います。大変満足していますし、うれしいです。
ジュビロ磐田
監督
まずは今季、開幕から最終戦まで多大なる声援をサポーターの方々から頂きました。まずはそのサポーターの方々に、J1残留ができなかったことに対して申し訳なく思っております。毎試合サポーターの声は届いていました。どんな状況でも本当に温かい、われわれに勇気を与えるような声かけをしていただきました。そういうサポーターに本当に申し訳ない。それに尽きます。選手たちはシーズンを通して、本当に一生懸命やってくれました。それに結果をつけてあげられなかった責任はすべて私にあると思っています。 試合の入りは悪くなかったと思っています。ただ、予想はしていましたけど、中間でサイドハーフの選手がボールを受けるところをどう抑えるか。ただ、そこにボールが入っても後ろの人数は足りているので、捕まえられると思っていました。そこで起点を作られ、後ろに人数はいたと思いますけど、タイミングよく走られ、失点してしまった。これはわれわれにとってかなり大きな痛手になったと思っています。後半は少し人と形を変えながら少しリスクはあっても得点を奪いにいくぞ、というところで選手を送り出しましたが、追加点を奪われ、一番残念だったことは得点を奪えずに試合を終えてしまったことで、すごく悔しいです。 われわれ(の残留の可否)は勝っても相手(残留を争う)チーム次第。得点も複数得点を取らなければいけない可能性が高い状況で試合に臨みましたけど、どちらもできずに、そこに関しては僕の責任かなと思っています。 --J1を戦って、一番足りないと感じたところは?球際や切り替えのところは本当に取り組んできました。もちろん全然パーフェクトではありませんけど、以前よりも少し成長している部分はあると実感しています。ただ、J1という舞台の中で技術を発揮する、正しい判断をする、その中でも高いクオリティーでプレーするところはまだまだ足りない部分が多かったと思っています。 --鳥栖のサイドハーフが内側の立ち位置を取るところは試合前から警戒していたポイントでした。どこに原因があって失点につながったんでしょうか?そこのマークに関してはCBが見るのか、ボランチが見るのか、ウイングバックが見るのか。選手たちにはシチュエーションによって対応が変わってくるという話をしました。(1失点目は)ボールをクリアしたあとに(ラインを)押し上げるチャンスはありましたけど、そこを押し上げ切れず、中原(輝)選手と最終ラインの距離が少し開いてしまって、誰も行けなくなってしまった。行けないときには前線ができる限りスクリーンできればと思っていましたが、それも難しかった。ただ、そこに入ったときに後ろで数的不利を作られていたわけではありませんでした。そのときにどうつかんでいくのかという話をして、そういう準備をしてきましたけど、抑えることができず、失点してしまいました。ここはこれまでもコンパクトにしながら、ボールのところにプレッシャーをしっかりと掛けられる状態を作らないというわれわれの甘さが出たと思っています。 --そこでラインを押し上げる強度が足りなかったのか、もしくはそこでマークを受け渡す連係面が足りなかったのか。これまでも同じような失点シーンがなかったわけではなかった中で、修正し切れなかったのはどんな理由がありましたか?いま、おっしゃられたとおりだと思います。今季はそういうところの課題をずっと抱えてここまで来てしまいました。その課題に対して真摯に向き合ってきましたが、やれるゲームとやれないゲーム、やれる時間帯とやれない時間帯が混在していたシーズンでした。少しでもそういう時間を、そういう試合をなくしたかったんですけど、それができなかった。そういうふうに持っていけなかった僕の責任だと思っています。
--良い締めくくりになったと思います。ナオさん(藤田 直之)だけじゃなく、グッピーさん(岡本 昌弘)も出場できるように(富樫)敬真と(マルセロ)ヒアンが点を取ってくれたので、良かったと思います。 チームとしてはシーズンの結果は降格になってしまいましたが、良い終わり方ができたと思います。それですべて良しとは言えないですが、こういう状況で前向きにやるのって大変だと思いますけど、そういった戦いができたのはみんながしっかりこの試合に向き合って準備できた結果かなと思います。 --降格決定後は良い戦いができ、結果もついてきました。降格(決定)直前で勝点を取るために現実的な戦いをするというか、どうしてもみんなが硬くなっていました。伸び伸びやれなかったというのは降格するまでのところで勝点を積めなかったことが要因だと思います。“たられば”ですけど、これが最初からできていれば違っただろうし、失点も減っている。やれる選手がそろっていた中でできなかったというのは、もう少し自分たちが取り組む姿勢などできたことがあったはずなので、来季に向けて考えていかないといけないと思います。 --試合前は「ナオさんとボランチを組めたら」と熱望していましたが、投入されたところでSBに配置転換になりましたね。外に出なかっただけマシでしたね(笑)。でも、ピッチに一緒に立つことができたし、試合後に握手して「ありがとうございました」と伝えることもできた。しかも、勝って終わることもできたので。点差が開いていなかったら出場時間もどうなっていたか分からなかった中でこれだけ一緒にプレーできたので、そこは良かったです。
ジュビロ磐田
最初は良いテンションで、良い入りができていたと思うし、あの時間帯に1点欲しかったというのはあります。中原(輝)選手が間に落ちてくるところは分析していた中でしたけど、相手のストロングポイントのところで前を向かれたところからの前半の2失点だったので。そこはこのゲームに限らず、今季ずっと中盤の後ろのところは自分たちが出られずにやられてしまう回数が多かったですし、そこを最後まで改善できず、最後のゲームでも出てしまったと思っています。 --そこを改善できなかったのはどんな難しさがあったからですか?自分たちは点が欲しかったので、ある程度前から圧力を掛けたかった。ただ、(相手の)前にはマルセロ ヒアン選手というスピードに特長がある身体能力の高い選手がいたので、最終節で出るような課題ではないですけど、前と後ろの意識のズレはどうしてもあったと思います。 --今季はチームを引っ張ってきたからこそ、2年前の降格とは違うものを感じますか?2年前は年上の選手がかなり多くて、(先輩たちに)ついていって落ちてしまったという感じでしたけど、今季に関しては自分がチームの結果を左右させていたというか、自分が点を取れなければゲームには勝てなかったし、自分が複数得点を取れれば勝てたゲームも多かったので。自分次第で結果を左右させられた試合が多かったからこそ、シーズン途中のケガも含めて、本当に悔しいというか、申し訳ないというか……。自分としては大きな責任があったので、悔しさはより一層大きいです。
MF 10
まず終わった瞬間、すごく悔しかったし、何よりすごく申し訳なかったです。この屈辱を二度と味わいたくないと思って今年やってきましたけど、こういう結果で終わってしまった。うまく言葉にはできないです。ただ、クラブというものはこれからも存続していくし、これがいまの自分たちの実力だと受け止めてやっていかなければいけないと思うので。またゼロからになるのではなく、去年、今年と一生懸命積み上げたものは、来年以降も生かしていく。一方で至らなかった部分はクラブとしてしっかりと改善していくことがすごく大切だと思います。 クラブを退く立場として無責任に言わせてもらうと、降格するたびに俊哉さん(藤田 俊哉スポーツダイレクター)のポジションや監督が責任をとって、またゼロからチームを作り直すということを繰り返していると、なかなかクラブとして積み上げていけない。もちろんいろんなことを言う人はいるかもしれないですけど、個人的には2人が残ってくれることがうれしいですけど、積み上げていくことをやっていかないといつまで経っても同じことを繰り返してしまうんじゃないかと個人的には感じている。もちろん残留できれば一番良かったですけど、落ちてもなお一貫性というのをクラブには持ってやっていってほしいとは思います。 ベースとなる部分をやってきて、そこは上積みできたと思いますけど、その上に何を乗せていくのかという部分では、チーム戦術も個人戦術もやっぱりまだまだだと感じた今日でもあり、今季だったので、自分たちが積み上げてきたものは間違いなく上積みしていかないとJ1で安定して勝つことができないと感じました。
サガン鳥栖
GK 71
朴 一圭
--加入以来フルタイム出場が続いていましたが、試合前に引退する岡本 昌弘選手に出場機会を譲れるかと聞いたら「快く、譲れる」とおっしゃっていました。そのとおりの形になりましたが。前日かな。試合の前日に監督に呼ばれてそういう方向性でやりたいと言われていて。スコアに関係なく、負けていても「こういうふうにやるから」というのは確認されて「どう思う?」と聞かれました。そこで僕は「リスペクトしているので、グッピーさん(岡本)だったら途中交代になってもまったく問題ないです」と伝えさせてもらいました。監督も自分のフルタイム出場を気にしてくださったんだと思いますけど、俺からすればまったく気にすることじゃないと。一緒に切磋琢磨してきて、グッピーさんがまだまだやれるところをファン・サポーターに見てほしいなと思っていました。 それよりも今日良かったのは(原田)亘に「エンドを変えてほしい」と言っていたんですよ。最後、ピッチに立つときにアウェイのサポーターを背に守るんじゃなくて、ホームのサポーターを背にして守ってほしかった。サポーターを背にして守るのってGKからすると大切なことなんですよ。だから、亘に「コイントスに勝ったら絶対にエンドを変えろ」と伝えていて、それで亘が勝ってくれたので、変えることができて良かったです。出場する時間も本当はもうちょっと短くなる予定だったんですけど、早めに3点取れてグッピーさんも長く試合に出ることができましたし、それもファン・サポーターを背にして守ることができて幸せだったんじゃないかなと思います。俺もその光景を見てうれしかったですし、完璧だったと思います。 --交代のときに何かやり取りはありましたか。「ありがとうございます」と「楽しんでください」というシンプルな言葉、その2つだけでした。 --「グッピーさんが出場することになれば、その姿を見るのが楽しみ」と試合前に話していましたが、どうご覧になりましたか。グッピーさんはいつもどおりでしたね。どっしり構えていましたし、3-0と言えどGKとして出るからには無失点で終えたい。途中から試合に入る難しさはあっただろうし、西日も厳しかったので大変だったと思いますけど、長年やってこられた経験というのがしっかり発揮されていたと思うし、見ていて安心感がありました。これだけできるのに引退するのはもったいないとあらためて、外から見ながら思っていました。
GK 31
岡本 昌弘
--2009年の最終節以来、15年ぶりのJ1での出場になりました。ありがたいです。皆さんに本当に感謝です。 --点差が開くなど状況が許さないとなかなか出場も難しかったと思いますが、大量リードで出場時間も長くもらえましたね。磐田も磐田で大変な状況での試合でしたし、そこで(相手の)GKが代わったらいろいろとたまんないじゃないですか。そんな中でしっかりとチームが結果を出してくれたので、ありがたいなと思いました。 --交代出場するためにピッチの脇に立ったときの心境は?15年ぶりのJ1でのリーグ戦出場だって(練習取材のときに)言われたからちょっと意識しちゃったじゃないですか(笑)。「なつかしい、久しぶりだな。J1か、サッカーって楽しいな」って思いました。 --30分くらいの出場時間でしたが、楽しめましたか。けっこう長かったので。とにかく失点だけはしないように、そこだけ気をつけながら入りました。 --良いシュートストップもありましたが。「こんなにまぶしかったっけ?」と思いながら(笑)。まぶしくて大変でした(笑)。 --交代のとき、朴 一圭選手とは何かやり取りは?「楽しんできてください」と言われたので、「ありがとうございます」って言いました。パギさん(朴)には本当に感謝です。僕が来てからずっとリーグ戦はフル出場していて、それってすごいことじゃないですか。それが途切れることになって申し訳ないんですけど、本当に感謝です。パギちゃんとの交代ですけど、同じ人がプレーし続けていたんじゃないかって思ってもらえたら良いネタになったって言えるかもしれないですね(※岡本と朴の顔が似ていてよく間違われるということを受けて)。