ただ、前節・C大阪戦では開始早々に失点を喫したものの、なんとか終盤に追いついた。その1ポイントで17位から13位にジャンプアップした。J1は現在、好調と呼べるチームは少なく、それぞれが試行錯誤の段階にある。だからこそ、下を向くのはまだ早い。
現状をどうにかポジティブに考えれば、ここ3試合では複数失点を回避しており、二度先制して一度はビハインドから追いついた。相手、時間帯ごとのパフォーマンスのバラつきはいまだあれど、いずれも敗れた明治安田J1第3節・湘南戦、第4節・柏戦の『一体どうなってしまうのか』という空気感は払しょくされつつある。
そして今節は、再びホームに戻って戦うことができる。マチェイ スコルジャ監督は前節の試合前会見で、置かれた境遇を「ホームでまだ2試合しかプレーしておらず、あまり良い結果を残せていないチーム同士の対戦」と表現した。今季初勝利を挙げた埼玉スタジアム2002で再出発を図りたい。
指揮官は前節のドローを「幸運とも言える結果だった」と評したが、ポジティブな要素もあった。渡邊 凌磨の復帰はその最たるもので、C大阪に疲労が見えて守りに入った時間帯だったとはいえ、浦和に流れが傾く一因となった。3列目でボールをさばきつつ、長駆して頻繁にペナルティーエリア内に進入。83分には見事同点ゴールを挙げた。
ただ、スタメン復帰はさすがに時期尚早だろうし、いましばらくは勝負どころでの投入が主となるはず。安居 海渡とサミュエル グスタフソンのボランチコンビが継続されると思われるが、前節は2人が横並びになることが多く、特に安居 海渡の消極性が目立った。ライバルの復帰を刺激に、いま一度お互いの長所を確認して役割を整理したい。
もう1つの収穫は、原口 元気がC大阪戦で久しぶりに得点に絡んだことだろう。なかなか結果とパフォーマンスを示せずに難しい立場にあった原口 元気。前節の得点と似た形でおとり役となった湘南戦のゴールシーンもそうだったが、今季のファインゴールはいずれも原口 元気が一役買っている。
現在の浦和は2列目の選手が多いながらも、エリア内の混戦で力を発揮できるタイプは少ない。ここで安定したパフォーマンスを発揮できるかは、チームにとっても原口 元気本人にとっても重要な要素となりそうだ。
対する清水も、開幕2連勝のあと4試合勝ちなしと停滞していたが、今節は勢いを持ってアウェイに乗り込むことになる。前節は、浦和が完敗を喫した湘南を3-0で撃破。秋葉 忠宏監督は「トレーニングでやってきたこと、われわれがチームとしてやるべきこと、やらなければならないことを野心的に体現してくれた」と、チームのパフォーマンスを歓迎した。
人に合わせて果敢にプレスを掛けてくる清水のスタイルは、浦和が苦手としているものでもある。正面から地上戦で突破するのか、それとも背後を突くのか。前節から準備時間は短いが、状況に応じてどちらも選択できるような意思統一を図る必要がある。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
