ホームの町田は第13節のC大阪戦を最後に勝利がなく、前節の清水戦は二度のリードを守り切れずに2-2で引き分けた。先行逃げ切りの勝ちパターンに持ち込めなかった黒田 剛監督は「非常に悔しい悔しい勝点1」と無念の心境を吐露した。
「勝つ=守れるチーム」(黒田 剛監督)をチームビルディングの方針に掲げてきた“黒田ゼルビア”が、目下8試合連続失点中と失点癖が止まらない。失点を毛嫌いするチームらしからぬ現状を踏まえ、柏戦に向けた準備期間の中で黒田 剛監督は、自らの実演も交えながら守備の再整備に着手。シンプルなクロスから失点を喫するケースも目につくため、指揮官はクロス対応の確認作業に余念がなかった。
無失点で試合を進め、少ないチャンスをモノにする。“黒田式勝利の方程式”完成のためには、無失点で時計の針を進めることが大前提。2023年の黒田 剛監督体制発足以降、堅守の原動力となってきたゴール前での粘り強さをチーム全体で発揮しようと、黒田 剛監督は守備の原則の再徹底を図った。「昨季のような粘り強さを取り戻せるように、チーム一丸となって取り組んでいきたい」とは望月 ヘンリー海輝の言葉だ。
町田の戦い方の基本方針は、ボール保持志向の柏に対して自慢のプレス強度を発揮し、ボール奪取からのカウンター発動を狙う形だろうか。前 寛之は言う。
「どれだけ(陣形を)コンパクトにして、その中で強度を出せるか。それが守備面の大きなポイントになる」 一方でアウェイに乗り込む柏は、新しいチームスタイルが急速に浸透していることを裏づけるように、連勝街道を突き進む。今節の3日前に開催された第14節の横浜FM戦を2-0で制した試合後、リカルド ロドリゲス監督はこう言って胸を張った。
「われわれはリーグの中で最も失点が少なく、まだ1敗しかしていない唯一のチーム。失点ゼロという結果は素晴らしいし、それこそが攻守にわたって完成度の高いチームになっている証です」 特に横浜FM戦は試合内容と結果もリンク。「自分たちで支配してゲームを終わらせることができたのはとてもポジティブ」と古賀 太陽が話したように、チームはさらに自信を深めた。また、横浜FM戦の勝利で11戦無敗と、破竹の快進撃で首位の鹿島を勝点1差で追走している。
勝利でチーム状況を変えたい町田は、柏を面食らわせる意味でも、序盤から果敢なハイプレスを仕掛けていく可能性も否定できない。柏とて、相手の強烈なプレスにハマれば苦戦はまぬがれないが、久保 藤次郎は「相手の土俵に乗らずに、状況を整理しながら臨機応変にプレーしたい」と町田戦を見据えた。
約1週間の入念な準備を経て柏戦に臨める町田が、自慢のプレスで相手をハメるか。あるいは、中2日でのアウェイ連戦を戦う柏が巧みにいなすか。チーム戦術の実行力の差が、きっと勝敗を分けるに違いない。
[ 文:郡司 聡 ]
