清水は現在4試合白星から見放されており、苦しい状況の中にいるのは間違いない。しかし、攻撃陣の主軸を担う松崎 快が「やっている方向性そのものは悪くなかった」と語ったように、敗れた前節・鹿島戦では、前からアグレッシブに連続してアクションを起こすチームの“らしさ”が見られた。
ただ、鹿島戦は無得点で終わったことも事実。キャプテンの北川 航也は試合後、「この内容で勝ち切れなかったことに危機感はあるし、勝点を取れれば『間違っていない』と胸を張って言える」と本音を漏らした。2試合ぶりのホームゲームでは、内容だけではなく、結果も示す覚悟だ。
清水が1週間の間隔を空けて準備しているのに対し、神戸は中3日で戦う3連戦の最終戦。その連戦の初陣となった明治安田J1第17節・G大阪戦を3-2でモノにし、連敗を『2』で止めると、直近の第13節・横浜FM戦では攻め方を変えた相手に戸惑う姿も見られたが、2-1でしたたかに勝星をつかんだ。今季二度目の連勝を飾り、リーグ2連覇中の王者の底力は並大抵ではないことを示している。
その中心にいるのは、一昨季J1最優秀選手に輝いた大迫 勇也だ。第2節・名古屋戦を最後にゴールから遠ざかっていたものの、G大阪戦、横浜FM戦と2試合連続でゴールを記録。復調を遂げた神戸のエースについて、かつて日本代表でともに戦った清水の乾 貴士は「言うことないですよ(笑)。誰もが分かっていると思いますが、日本で一番のFWなので」と、彼らしい言葉で称賛する。
勝負のカギを握る1つの要素は、セカンドボールの回収力だろう。神戸の中盤でコンビを組むと予想される井手口 陽介と扇原 貴宏は、持ち前の運動量を前面に押し出し、攻守にハードワークができる選手。チーム全体でロングボールを有効活用しつつ、一度奪われても2次、3次と連続攻撃につなげていく上で、彼らの働きは見逃せない。
清水としては、宇野 禅斗とマテウス ブエノのダブルボランチに期待がかかるが、神戸にロングボールを放り込まれた際、最終ラインの対応も重要だ。その一角を務める住吉 ジェラニレショーンは「セカンドボールを拾う上で、まずは自分たち最終ラインの選手が、最初のボールを前向きではね返すことが大事」と語っていた。
もちろん、神戸は組織面でも優れたチームだが、個のクオリティーも有している。清水はそんな相手をどう上回るか。チームの中心に立つ乾 貴士は「サッカーは1人でやるものではないですし、自分も1人でどうにかするタイプではない。周りを生かしつつ、生かされつつ、そんなサッカーを見せられれば」と意気込んでいた。良いときの“超攻撃的・超アグレッシブ”な姿勢を見せ、全員の力を結集させて神戸を打ち破りたい。
オレンジに染まったIAIスタジアム日本平の大声援を背に、清水が5試合ぶりに勝点3を積み上げるか。それとも、神戸が王者の風格を見せ、3連戦を全勝で終えるか。
[ 文:榊原 拓海 ]

