前半戦の19試合で九度のクリーンシートを記録した東京Vだが、後半戦は苦難が続いている。6月15日の前々節・柏戦では、同月に行われた柏とのJリーグYBCルヴァンカッププレーオフラウンドでの反省を生かして、ミドルブロックで構える守備を実行。序盤こそうまくいったものの、一瞬のスキを突かれて失点を喫すると、柏の攻撃陣に次々とつけ入られてしまい、計3失点。1-2で敗れた前節・C大阪戦でも、キワの部分で粘り切れずに失点を重ねてしまった印象だ。
ただ、C大阪戦では、新井 悠太を最前線に置くなど、労を惜しまない選手を前線に起用。この決断理由と手ごたえを、城福 浩監督は次のように語っている。
「おそらくビッグチャンスになる場面でことごとくオフサイドになっていて、そこの難しさを彼(新井 悠太)は感じていたと思う。それでも攻守において“一瞬の間”のような2、3秒というのはほとんどなかった。誰かが行かなければいけないし、一番前が誰よりもアクションを起こしていくというのは、私が早く解決したかったところ。そして、オフサイドになろうともその(好機を作る)数を増やすこともチームには必要だった。その上で質を追求していきたいと思っている」 ここ2試合の相手は、どちらもボールを大事にしながら、攻撃に重心を置くチームだったが、今節で対峙する川崎Fはより堅い守備と相手のスキを逃さない一刺しで勝点3を奪いにくる。運動量で相手に勝りながら、集中力を切らさないことが必要だろう。
一方の川崎Fは、25日に延期分の明治安田J1第15節・新潟戦を戦っており、中3日で今節を迎える。新潟に勝利したことで、順位は5位へ浮上。さらに上位へ迫るために、負けられない戦いとなる。
東京Vで注目したいのは、クラブの象徴とも言える森田 晃樹だ。C大阪戦では前線から最後尾まで顔を出して奮闘。粉骨砕身で守備に奔走した結果、川﨑 修平のゴールが生まれている。その奮闘ぶりには、城福 浩監督も「彼は声というよりもプレーで引っ張るタイプ」と見つつ、今節にも期待を寄せる。
「彼のその姿勢というのは、みんなに伝わっていると思うし、次の試合に懸ける思いというのもしっかり共有できていると思う」 スコアレスドローに終わった川崎Fとの前回対戦ではケガ明けだった。コンディションが万全のいま、攻守において存在感を発揮していく。
対する川崎Fは、最前線での先発が予想される山田 新の得点に期待がかかる。昨季J1で19ゴールを挙げたストライカーは、今季ここまで19試合に出場して2ゴールにとどまっている。新潟戦はベンチ入りするも出場がなかったこともあって、コンディションは万全。得点を渇望するFWはチームを勝利に導く一発を仕留められるか。
優勝争いを繰り広げるために。残留争いに巻き込まれないように。双方の思いがぶつかる一戦に注目だ。
[ 文:藤井 圭 ]
