ホームエリアのチケットはファンクラブ先行発売が始まると18分で完売し、翌日に一般販売が行われると3分で車いす席を除く全席種も完売となった。大きな反響を受け、クラブはスタジアム場外でも試合の雰囲気を感じながら楽しめるパブリックビューイングの開催を決定したが、これも想定以上の申し込みがあったため開催方法を再検討して、JFE晴れの国スタジアムの近隣にある岡山県総合グラウンド 補助陸上競技場で行われることになった。
街の熱気に応えるようにチームも躍進を続けている。前々節・横浜FM戦を1-0で勝利すると、前節・鹿島戦は2-1で逆転勝利。アウェイで2連勝して自信を深めている。
岡山はスタジアムの熱気もチーム状態も最高の中で“中国ダービー”に臨んでいく。
一方、広島は苦しんでいる。明治安田J1第22節・名古屋戦を1-2で落とすと、2日に組まれていた第5節・神戸戦も0-1で敗れた。ともに勝点41の首位・鹿島、2位・柏とはまだ勝点5差につけているが、もうこれ以上は離されたくない状況になった中、中2日の短い準備期間で今節を戦うことになる。苦しいチーム状況、厳しい日程で迎える試合になるが、経験豊富な選手がそろっているだけに、おのおのがしっかりと心身の状態を整えて臨んでいくに違いない。
お互いに堅く守ることができるチームだけに、多くの得点が生まれる試合になることは予想しにくい。エディオンピースウイング広島で行われた“中国ダービー”の第1戦(第10節)で、広島に生じたミスを岡山が逃さず突いて奪った1点が決勝点になったように、ミスは勝敗を分ける重要なポイントになるだろう。そして、きっ抗した試合ではセットプレーも極めて重要になる。岡山は神谷 優太、広島は新井 直人。両チームとも質の高いプレースキッカーを擁しているだけに、セットプレーを多く獲得すること、逆に言えば極力与えないことも、試合を進めていく上で常に意識していきたいポイントだ。
そして、この試合をさらに盛り上げるニュースが両チームに飛び込んできた。東アジアE-1選手権に挑む日本代表のメンバーが3日に発表され、岡山からは佐藤 龍之介が選出された。“中国ダービー”の1戦目で決勝ゴールを挙げて歴史に名を刻んだ18歳が、2戦目でどんなプレーを見せるのか。大きな注目が集まる。
そして、広島からは5選手が選出。大迫 敬介、荒木 隼人、川辺 駿、中村 草太、ジャーメイン 良が、この試合が終わると韓国へ向かうことになった。大卒ルーキーながらもう広島の欠かせない戦力になっている中村 草太が、これまで育成年代で一度も縁のなかった日本代表でどんなプレーを見せるのかは注目だが、まずはこの“中国ダービー”での活躍に期待したい。
岡山と広島のファン・サポーターはもちろん、Jリーグファンの関心も集まる“中国ダービー”は、5日の18時55分にキックオフする。
[ 文:寺田 弘幸 ]
