チーム主将の昌子 源は神戸の印象をこう口にした。
「神戸さんは結局首位にいますし、王者たる風格があって、試合運びもうまい。ワンシーズンの戦い方も熟知しているチームだと思います」 町田はJ1昇格を果たした昨季以降、神戸戦で1分2敗と勝利がない。アウェイでの前回対戦では、得意とする0-0の展開で時計の針を進めながらも、後半にオウンゴールを誘発され、0-1で接戦を落としている。
ただ、リターンマッチを迎える段階の町田は、公式戦に換算すれば8連勝中と上昇気流の渦中にあり、王者を呑み込むにはうってつけのチーム状態だ。なお、昨季のホームゲームは国立競技場で行われたため、神戸戦での町田GIONスタジアム開催は今回が初。Gスタでのプレーが初めてとなる神戸に対し、 “ホームアドバンテージ”を生かして神戸戦の戦績の“風向き”を変えられるだろうか。
また、町田は天皇杯ラウンド16・京都戦に1-0で勝利し、クラブ史上初のベスト8進出を決めた。90分で決着がついたとはいえ、最終ラインの3バックを筆頭にフル出場した選手も多く、酷暑下で中3日の連戦を強いられることは懸念材料になりそうだ。
一方で初のGスタでの試合に臨む神戸は、今後のライバルチームを減らす意味でも勝利が望ましい試合だろう。もっとも4日前の天皇杯ラウンド16・東洋大戦では、120分の延長戦にもつれ込んだため、宮代 大聖や佐々木 大樹ら、プレータイムが長かった一部の主力選手のコンディション面にどんな影響を及ぼすかには注目が集まる。なお町田からの期限付き移籍によって神戸でプレーしているエリキは、契約の関係上、町田戦に出場できない。そのため、吉田 孝行監督のメンバー起用も1つの焦点だろう。
最後に選手個人という視点で言えば、昨季まで5シーズンにわたって神戸に在籍した町田の菊池 流帆が、古巣戦に向けて並々ならぬ闘志を見せている。前回対戦をケガで欠場した菊池 流帆は「一番楽しみにしていた」神戸戦を前に、こう言って言葉に力を込めた。
「神戸さんはお世話になったクラブでリスペクトしていますし、大好きなクラブであることに変わりはないですが、町田さんからオファーをいただき、いまの僕は町田の選手としてプレーしています。黒田 剛監督を優勝させるためにも、絶対に神戸に勝たないといけません」 また、今夏の移籍市場で長崎から加入した町田の増山 朝陽にとっても、神戸は古巣。町田に加入後、まだJ1での出番はない立場だが、増山 朝陽も「メラメラした気持ちでいる」と話し、古巣戦への高揚感を隠さない。
[ 文:郡司 聡 ]
