J1での2年目は苦しいシーズンとなったが、見事に残留を果たしてチームの底上げを図っている東京V。悔しい思いをさせたサポーターのためにも、ホーム最終戦で首位チームを相手に集大成を見せたいところだ。
今季36試合を消化して22ゴールと得点力に悩む東京V。前々節・清水戦(0●1)や前節・福岡戦(0△0)など、得点こそ奪えなかったものの、ボールを保持しながら両サイドから攻撃の形を作り出せているだけに、決め切る部分において質を上げていきたい。
そこで期待したいのは、古巣戦となる染野 唯月だ。昨季は期限付き移籍で在籍していたため、契約上の理由で鹿島との試合には出場できなかったが、完全移籍に移行した今季は第2節で古巣と激突。36分から途中出場した中、ネットを揺らすことができず、チームも0-4で敗れた。二度目の対戦となる今節に向けては「雰囲気に呑まれず、試合開始から圧倒されずに戦えれば、自分たちにも絶対にチャンスは来る」と意気込みを示す。優勝を期待する鹿島サポーターに対しても、成長した姿を見せたい。
一方、2位・柏と勝点1差で首位に立つ鹿島は、勝利した上で柏がアウェイで新潟に敗れれば、今節での優勝が決定する。ただ、東京Vに勝てなかった場合は、順位が入れ替わって最終節を迎える可能性もある。いずれにしても、目指すのは勝利のみ。東京Vを上回って天命を待ちたい。
その中で注目は、19ゴールを挙げてJ1得点ランキングトップに立つレオ セアラだ。ホームで快勝した前回対戦では、22分に強烈なヘディングシュートを叩き込んで加入後初ゴールを奪うと、その3分後にはカウンターから追加点。東京Vは今季のゴール量産のきっかけとなった相手でもある。ここ数試合は得点から遠ざかっていたが、前節・横浜FC戦で先制点を奪取。良い流れはできている。
主導権の握り合いが予想される今節、開始15分あたりでどちらがボールを持つかは結果にも影響してくるだろう。東京Vとしては決して受け身に回らず、ポゼッションしながら相手陣に押し込み、0-0の状態を保ちたい。その上で練度を高めている攻撃パターンやセットプレーなどで先制できれば、理想的な展開となるだろう。
鹿島としては、前述したように前回対戦では早い時間帯にリードを奪って試合を優位に進めた。開始から東京V守備陣に圧を掛けて押し込み、前半から得点を重ねられれば、前回対戦の再現もできるはずだ。
染野 唯月と同じく古巣戦となる東京V・林 尚輝は、注目度の高さを理解しつつ、自分たちの集大成をぶつける場と士気は高い。
「世間は鹿島の優勝が決まるかもしれない一戦という見方だったとしても、自分たちからすれば1年間やってきて苦しみながらも残留の結果を手にできた中でのホーム最終戦。自分たちがいまの順位で満足できているのか、いないのかを表現する意味でも大切な試合になる。優勝を争う鹿島にどれだけできるかというのは見ている人たちの期待もあると思う。期待してくれているサポーターのためにも頑張りたい」 東京Vの意地か、それとも鹿島の勝負強さか――。名門同士の激突を見逃すな。
[ 文:藤井 圭 ]
