ただ、一般的なダービーマッチと違い、千葉と柏はカテゴリーが違っていても、例年『ちばぎんカップ』で対戦。今年も明治安田J1百年構想リーグ開幕の1週間前、1月31日に顔を合わせた。
特に千葉にとっては、17年ぶりのJ1の舞台でどれくらいできるのか、力を試すには格好の舞台だった。2025年の『ちばぎんカップ』で0-3で敗れた相手はその年、リカルド ロドリゲス監督の下、J1で優勝争いをしたからである。
結果は2-1で柏が勝利。千葉から見れば最少得点差での敗戦であったが、シュート数は4対25、前半に至っては0対15という数字が示すとおり、柏に圧倒された試合となった。特に前半は何もできなかった。シュートを打つどころか、自分たちのスタイルをまったく出せずに終えた45分だった。
スタメンで後半途中までプレーし、1点を返すゴールを決めた石川 大地は、その一戦をこう振り返る。
「自分たちからああなりたくてなったわけではないし、もちろん『行くんだ』という気持ちはあったが、相手の強みが相当出た試合だった。それ以上の力だったり、自分たちからアクションを起こす動きが必要だったんじゃないかと思う」 その気持ちは、千葉を変えた。小林 慶行監督がJ1での戦いも見据えながら植えつけた自分たちのスタイル、縦に速いアグレッシブなサッカーを展開することを最優先事項とし、開幕から4試合でいまだ勝利はないものの、自分たちの力を尽くしながら試合ごとに成長している。日高 大は言う。
「『ちばぎんカップ』で対戦したことによって、J1のいまの基準を作ってくれたのが柏で、その基準が高くなったからこそ堂々とした戦いができているのは間違いない」 当然、今回の柏戦は、前回とはまったく違う試合にすることを期している。日高 大は続ける。
「アグレッシブに行きますよ。もう柏相手に引けばどうなるか分かっているし、あのときは自分たちらしくない戦いだったので。向こうもこちらのことを分かっている中で上回っていくということは、自分たちのいまの状況だからこそやっていきたい」 一方の柏は、『ちばぎんカップ』の圧倒感とは対照的にJ1百年構想リーグは開幕3試合で勝利から遠ざかり、前節・FC東京戦でようやく勝点3を手にした。平均ボール保持率、チャンスクリエイト総数、ゴール期待値は高い数値を示しており、勝てていない3試合でもボールを保持して攻撃で相手を圧倒する自分たちのスタイルは展開できていた。1つの勝利が結果の上でも好転する材料となるか。
千葉は攻守ともに矢印を前に向けるアグレッシブなスタイル、柏はボールを保持して相手を崩すスタイルと互いにハッキリしている。両者ともに相手を圧倒したいと考えているはずだが、互いに持ち味を出せば白熱した攻防が続く試合となるだろう。
17年ぶりとなる国内トップカテゴリーでの“千葉ダービー”。両サポーターが作り出す雰囲気も含め、熱くならないはずがない。
[ 文:菊地 正典 ]
