横浜FMは前節、MUFGスタジアム(国立競技場)でFC東京と対戦。キックオフで大きく相手陣に蹴り出したあとのスローインの流れから、開始わずか32秒で失点を喫すると、16分には佐藤 龍之介のシュートをGK木村 凌也がセーブし損ねて追加点を許す。後半も開始49秒で3点目を奪われ、失点以外にも数多くの被決定機があり、力なく4敗目を喫した。
そのFC東京戦を大島 秀夫監督はこう振り返る。
「立ち上がりにしてもコミュニケーションもとらず、中途半端な形を出してしまった。ベーシックな部分から根本的に全員でハードワークしてやっていかないと勝点3は取っていけないと再認識しないといけないし、シンプルに気持ちを込めてやっていかないといけない」 指揮官の言うようにフットボールの原理原則に立ち返るところは重要だが、FC東京戦では戦術面でも後塵を拝した。FC東京の変則的な立ち位置でマンツーマンの守備を無力化されたあとの二の矢、三の矢を繰り出せず、前半から再三ディフェンスラインの背後を突かれていたにもかかわらず、後半開始直後の3失点目もあっさりと背後を取られての失点であり、ベンチの修正力にも大きな課題を残した。
横浜FMは今季、“縦に速く”をコンセプトに掲げると同時に、相手陣でのボール保持も志向する。前者は背後にスペースがなければ具現化し難いが、後者はスペースがない中での崩しとなる。縦に速い場面を増やしたいのであれば、ビルドアップもロングフィード一辺倒ではなく、相手を引き込んで意図的にスペースを作る工夫も必要だろう。もちろん一足飛びに理想を実現できるわけではないが、少なくともチャレンジを積み重ねるプロセスは踏みたいところだ。
今節はFC東京戦で負傷のため交代したジェイソン キニョーネス、角田 涼太朗の両CBの出場が不透明。ほかにもコンディションが万全でないポジションもあり、今季初出場の可能性があるトーマス デンや、FC東京戦で約1年ぶりに復帰した木村 卓斗ら“新しい力”による新風にも期待したい。
対する千葉は柏との“千葉ダービー”に臨んだ前節、開幕5戦目にして今季初勝利を手にした。今節はその勢いを持って連勝を狙う立場となる。
注目は横浜FMと高校3年時の2020年にプロ契約を結んだ津久井 匠海。柏戦では後半開始早々に先制点を奪い、初勝利に大きく寄与した。今節は柏戦で負傷交代したカルリーニョス ジュニオの出場可否が微妙なため、柏戦の途中からポジションを変えてプレーしたFWで先発する可能性がある。「ジェフの選手として、自分の変わった姿を日産スタジアムで表現したい」。5年余りの歳月を経て、当時立つことがかなわなかった舞台で勇姿を披露する心積もりである。
[ 文:大林 洋平 ]

