「今季は守備のやり方を変えて、本日(柏戦)で7試合目でした。そのプロセスの中でミスを犯しています。もちろん、やり方を変えることについてはリスクがつきものだと思います。昨季を戦い、欧州のトレンドも考慮して、そこを変えることにしました」(マチェイ スコルジャ監督) これまでよりも前向きなスタイルに前向きに取り組んできており、一定の成果は出ているもののブレイクスルーには至っていない。苦手な局面はそのままという側面もある。浦和に限らず、昨今のJリーグ全体がパワー系フットボール方面へと振れているが、結果につながらなければ面白みのない、発展性のないスタイルだとのそしりを受けることは避けられない。
今季の強みがプレスも含めた縦への速さだけに、一本調子に陥りがちでもある。得点あるいはフィニッシュまで持ち込んでしまえば正解になるが、消耗は早くならざるを得ない。前節にしても、全体のポゼッションで柏を上回るとはいかなくても、マイボールになった際にキープしながら相手を押し下げることが2、3回でもできていれば、もう少し内容も結果も違うものになったのではないか。
その両立はかえって、強みを削ぐことになるかもしれない。ただ、さすがに“苦手”を“そこまで苦手ではない”までもっていかなければ安定した戦い方は望めない。どう両立していこうとしているのか。指揮官に尋ねると「まさにそれが改善点」と返ってきた。速攻を主体としつつ、「ボールをキープする」ことは最初の就任当初からマチェイ スコルジャ監督は求めてきたことだ。前節で対戦したリカルド ロドリゲス監督も浦和の監督時代に「焦れずにスピードアップするタイミングを見極めること」を要求してきたが、いまだ身についてはいない。
ポゼッションに長けたチームになることを望むものではないが、状況を見極めることと賢くサッカーをすることは向上を見たい。そうした試合がまったくできないわけでもないのだから。昨季のアウェイ・町田戦などは、セットプレーや速攻で得点しつつキープしながら、試合を支配する時間を長く作っていた。その再現を期待したい。
一方、アウェイに乗り込む町田は浦和より1つ上の3位。AFCチャンピオンズリーグエリートを挟みながら順調に勝星を重ねてきたが、前節は鹿島に手痛い敗北を喫した。黒田 剛監督も「キワの時間帯で自滅してしまうようなプレーが出ているようでは難しい。肝心な場面でのスキルに関しては、鹿島さんが一枚上手だったと思う」と反省を口にしつつ、「連敗はできないという強い意志で浦和戦の準備を進めたい」と総括を締めくくった。浦和もこれ以上の連敗はできない。どちらが立ち直って自分たちのサッカーを押しつけられるか、中3日という連戦の中であらゆる準備が問われる一戦になる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
