「良い時間も作れましたし、選手の気持ちは出せた試合だったと思います。けどやっぱり、いまのこういう状況というか流れというか、こういう結果になると『どうしたらいいか分からない』みたいな雰囲気になってしまうので、難しい状況かなとは思います」 試合後、石原 広教は沈痛な面持ちで囲み取材に対応した。誰もがハードワークしており、チームとしてやるべきことは全力で遂行しているはずなのだが、結果が出ないことにより自信が揺らぐ負のスパイラルに陥っている。
「チャンスはもちろん作れていたし、こっちが(先に)2点目を取っていたらこっちのゲームだったかもしれない。ただ、うまくいかないチームはこういうふうになる。難しいですけど、下を向いている暇はないので。とにかくみんなで、一体感はなくさないでやります」(石原 広教) なんとも良くない状況ではあるが、ここから連戦が続くのはかえって好都合かもしれない。西川 周作や関根 貴大などは以前、「連戦のほうが考える時間がないので切り替えやすい」といった趣旨の発言もしている。
そして、中3日が2試合、中2日が2試合という日程ではメンバー固定は難しい。新たなヒーローや思わぬ化学変化が生まれる可能性もある。ともかく1勝を挙げないことには、現状打破はかなわない。きっかけになりそうな要素は多いほうが良い。
その意味では、前節で小森 飛絢と松尾 佑介が実戦復帰を果たしたことは大きかった。組み立てからフィニッシュまで絡める万能型の小森 飛絢と、中央とサイドをこなせるスピードスター、なおかつチェンジオブペースと状況判断に優れた松尾 佑介はジョーカーでも先発でも有用だ。あとはサミュエル グスタフソンが戻ってくれば薄かった選手層も厚くなる。全員の力で苦境と連戦を乗り切りたい。
「本当に難しい状況ではあるけど、これだけの選手がいて乗り越えられないわけないと思っているので。とにかく真摯に謙虚にというか、ただただやり続けるしかないと思います」(石原 広教) 一方の川崎Fも好調とは言い難い状況が続いていたが、現在は連勝中。順位も4位に浮上した。前節・千葉戦はマルシーニョに今季初ゴールが生まれ、終盤に失点を喫しながらも直後に勝ち越して振り切った。
長谷部 茂利監督は「粘り強さも出てきて、少しずつだけど守備は良くなってきている」と語り、山本 悠樹も「キワのところで足が出てくるようになっている。キワのところで耐えるシーンが多い」とコメントするなど、チームが堅固になりつつあるという手ごたえを得ているようだ。自信とともに、3連勝を懸けて埼玉スタジアム2002へと乗り込む。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
