FC東京と東京Vによる“東京ダービー”が味の素スタジアムで行われる。ダービーという特別な舞台である以上、これは単なる勝点3を争う一戦ではない。同じ街をホームに掲げながら、異なる歴史と哲学を背負う両クラブが、互いのプライドを懸けて激突する90分となる。
前回の対戦ではPK戦の末に東京Vが勝利を収めている。FC東京からすれば、シーズンダブルは許されない。
FC東京は前節、千葉と対戦。今季初の3失点で、無得点のまま完敗を喫した。これで連勝は『4』でストップ。攻撃陣も沈黙した中、
佐藤 龍之介は中盤まで下りてボールを引き出し、攻撃の活性化に奔走した。
「落とせない試合の中で3失点という結果は悔しいですけど、みんな次に向けて切り替えています。ゴールに迫れてはいましたが、最後の崩しの場面でのズレや、ニアサイドに飛び込む選手など、少し足りない部分がゴールにつながらなかった」と振り返りつつ、前を向いた。
“東京ダービー”に向けては「すべてを出し尽くして必ず勝ちたい。最後はゴール前に入って仕事をしたいですし、自分がやるべきことと、チームのために戦う部分をすべて出したい」と力を込めた。
連勝は止まったものの、プラス材料としては、負傷離脱していた
長友 佑都、
長倉 幹樹が限られた時間ながらピッチに戻ってきたことが挙げられる。
長友 佑都は約2カ月ぶりの公式戦出場を振り返り、「交代してから2失点してしまったので、その責任は感じています」と悔しさを口にした。一方で、「個人的には入ってから良い突破もありましたし、クロスも上げられました。復帰してリスタートしたばかりなので、まずはケガなく戻ってこられたことをポジティブに捉えています」と前向きな姿勢も見せた。
そして“東京ダービー”に向けては、「PK戦ではありますが、前回負けているので、2連敗はあり得ません」と強い勝利への意欲を示している。
長友 佑都にとって東京Vの城福 浩監督は、プロ1年目で開幕スタメンに抜擢するなど、若手時代から積極的に起用し続けてくれて、そのポテンシャルを大きく引き出してくれた恩師。眼前で完全復活の姿を示したいところだ。
一方の東京Vは前節、川崎Fと対戦して0-1で敗戦。こちらも連勝は『4』(PK戦勝利1試合を含む)でストップした。
川崎F戦後、城福 浩監督は「サポーターの応援に応えられず非常に残念」と悔しさを口にしながらも、前線から積極的に圧力を掛けた守備面については一定の評価を示した。ただ、「いつ行き、いつ止めるのか」という守備における判断の質には課題を指摘し、細部の未熟さが失点につながったと振り返っている。
前半は川崎Fの流動的な攻撃への対応に苦しんだものの、後半は押し返す時間帯も増え、内容面では手ごたえも残した。今回の“東京ダービー”では、前節で見えた課題を修正し、チームとしての成長を結果として示したいところだ。
“東京ダービー”は、両チームの意地がぶつかり合う舞台。果たして、最後に歓喜を手にするのはどちらか。
[ 文:匂坂 俊之 ]