朝夕はめっきり涼しくなってようやく秋を感じられるようになった中、広島も京都もリーグ戦とカップ戦を並行して戦うタイトな日程が続いている。今節は間違いなくチームの総力が問われる戦いになるだろう。
広島は今節が公式戦8連戦の4戦目。ここまでの3戦は、天皇杯3回戦・いわき戦、前節・東京V戦、Jリーグ ヤマザキビスケット ルヴァンカップ1stラウンド3回戦・松本戦と、いずれも制した。公式戦6連勝中ではあるが、離脱者が出ているため、選手それぞれがコンディションを整えるのは難しい状況にある。
東京V戦で浅野 拓磨が復帰を果たし、長期離脱していたキム ジュソンは松本戦で90分間プレー。セバスティアン アレーも着実に状態を上げている様子であり、東京V戦を欠場した川村 拓夢も松本戦のメンバーに入った。頼もしい選手たちが戻り、戦力が整いつつある一方、松本戦では前田 直輝が負傷交代するなど、チーム状況は“一進一退”だ。
もっとも、これまで出場機会の少なかった選手たちが、連戦でチャンスをつかもうとする思いは強い。今節注目したいのは菅 大輝。「本当にこのチャンスを逃したら次はない。そういう思いでやっている」と語る紫の18番が、チームに大きな活力を与えてくれるはずだ。

連戦でチャンスをつかもうと意気込んでいる菅大輝
京都は今節が公式戦9連戦の3戦目。前節・町田戦は0-1で敗れ、そこから中2日で臨んだAFCチャンピオンズリーグElite 2026/27(ACL Elite)のリーグステージ第2節・ラーチャブリーFC(タイ)戦は1-0で勝利した。リーグ戦ではなかなか結果が出ていない中、クラブ史に刻まれたACL Elite初勝利を浮上のきっかけにしたいところだ。今季から指揮を執るランコ ポポヴィッチ監督も、ラーチャブリーFC戦後に前向きなコメントを残している。
「リーグ戦では結果を見ると厳しい試合が続いているのは事実です。しかしプレー面では、Jリーグでトップクラスの町田との2試合(ルヴァンカップ4回戦と明治安田J1第9節)で、多くの時間で良い勝負ができていました。その中で改善点も多くありましたし、プレッシャーに感じることもありますが、それをしっかりと受け止めて、選手全員が成長していると私は感じています。次の試合でも、今日出場した選手たち、出場しなかった選手たち、誰がピッチに立つかは分かりませんが、選ばれた選手がしっかりとプレーしてくれるはずです。チームは良くなっています」
今節で期待が集まるのは、ラーチャブリーFC戦で途中出場から決勝点を挙げた松田 天馬。今季はここまで途中出場が中心となっていた中、巡ってきたチャンスで大きな仕事をやってのけ、あらためて存在価値を示した。
「(ACL Elite初勝利を呼び込む)決勝点だったことも、これまでやってきたことがつながったのかな……と感じています」とうなずいていた京都の18番は、今節もキーマンになるに違いない。

クラブのACL Elite初勝利に貢献した松田天馬。今節もキーマンになり得る(写真は2026/27 ルヴァンカップ4回戦・町田戦)
[ 文:寺田 弘幸 ]