「一瞬のところが勝敗を分けているので、そこはわれわれが今後越えないといけない壁だと思います」。試合後に田坂 和昭監督が振り返ったとおり、勝負を分けたのは一瞬のスキだった。接戦をモノにできなければ上位に食らいつくことはできない。2試合前から守備の立て直しに成功し、福岡戦も失点ゼロベースの戦いで進められたが、連勝で勢いに乗る福岡を倒すには至らず、中位に甘んじる状況が続いている。
福岡戦の惜敗を受けて矢野 貴章は「うちにもリスタートの回数はあったし、その辺りで得点が生まれてくればきっ抗した試合でも結果が変わってくると思う」と語る。今季の栃木はFKやCKからの得点が少なく、接戦を切り抜けるためにも、いかにリスタートからの得点を増やせるかも1つの課題になっている。
今節は4位の長崎をホームに迎えることになり、再びJ1昇格を争う上位勢との対戦となる。前節の戦いから得られた教訓を今節の戦いに生かせるか。上位に食らいつくための大事なホーム戦だ。
一方の長崎は前節、ホームに昇格を争う徳島を迎えたが、終了間際に失点を喫して痛恨の敗戦。前々節の上位・福岡戦に続き、今季初の連敗となった。
ただ、前節は徳島に対してチャンスを多数作れており、秋野 央樹は「今日の試合に限っては自分たちのやりたいサッカーができたところもあったし、内容はそんなに悲観するものではなかった」と振り返る。とはいえ、「相手が戻るよりも、自分たちが前に行くスピードはちょっと遅いなと感じている。ゴールを決めるためには、遅攻だけでなく速攻の数を増やさないといけないなと思っている」とも話しており、得点力向上のためのチームとしての道筋や感覚を模索している様子だ。
長崎は、8試合を戦った9月で白星を挙げることができずに首位から陥落しており、これ以上昇格圏と勝点差を広げられるわけにはいかない状況にある。上位勢に連敗したこともあり、今節に求められるのは内容ではなく勝点3だろう。
[ 文:鈴木 康浩 ]