長いようで短く、短いようで長かった2020シーズンの明治安田J2も最終節を迎える。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、“当たり前のこと”が実は当たり前でなかったという無常さ、理不尽さ、そして無力さを覚えずにはいられないシーズン。その中にあってゴール目前までたどり着けたことは、各クラブ関係者、リーグ関係者の尽力によるものだ。
残念ながら序盤から厳しい戦いが続き、目標の『1年でのJ1復帰』は果たせなかったホームの松本だが、終盤になって可能性を感じる試合ができている。前節・東京V戦はボールをつなぐ相手に対して早い時間に先制を許すなど押される場面も目立ったが、ハーフタイムの選手交代策などが奏功して、後半には主導権を引き寄せた。試合を振り出しに戻したあとも好機を創出するが、ゴール前での勝負強さに欠けて逆転には届かなかった。
どっちに転んでもおかしくない試合だったが、追い上げての勝点1獲得は前向きに捉えられる。ホームでの最終節ということで、1年間の集大成を多くのファン・サポーターに見せたいところだ。すでに今季限りでチームを離れる選手やスタッフも発表されており、彼らのためにも勝利で締めくくれるか。
対するアウェイの愛媛も、2シーズンにわたってチームを率いてきた川井 健太監督のラストマッチとなる。ボール支配率を高めて主導権を掌握するスタイルを推し進めてきた指揮官にとっても、また理想高くサッカーに取り組んできた選手たちにとっても、この試合は単なる42分の1ではないはずだ。試合順延のため9連戦、しかも遠距離アウェイという酷な状況だが、目指すのは勝利以外にない。
[ 文:多岐 太宿 ]