秋田は今季、ホームの戦績が振るわず、3勝11分6敗と負け越している。終わり良ければすべて良し、と言うつもりは毛頭ない。だが来季に向けた流れを作るためにも、終わり方は重要になる。そして、何よりも地元サポーターとともに喜び合う時間がほしい。
前節は甲府のロングボール返しにより、立ち上がりからボールが行き交う展開に。秋田はボールを奪えてもそこからの攻撃が単調になり、甲府にミドルシュートを2発決められて敗戦。「相手の速いラインバックで攻撃を抑えられたときに、パスをつなぐなどしてアクセントをつけていきたい」と武 颯。今節は周囲の状況に応じて、ボール奪取からの攻撃の質を高められるかがカギになりそうだ。
一方、東京Vは前節・琉球戦を1-1で終えた。高い位置で奪って攻め込むも決め切れず、前半に先制を許す。それでも終了間際に小池 純輝が頭で決めて追いついた。
9月に監督交代があったが、選手同士の距離感が良く、ゴール前でもショートパスとドリブルを織り交ぜて相手を崩すスタイルは健在。ここ2試合は左ウイングに抜擢されたドリブラー・新井 瑞希が推進力を生み出し、加藤 弘堅が中盤の底で試合運びを担っている。
秋田は前半戦で東京Vに敗れている。ボールを支配された要因の1つは、相手のプレスで奪い返され、ロングボールを蹴り出せなかったことにある。東京Vがどのような戦い方をしてくるかは未知数だが、同様の展開となれば前節の反省が生かされるだろう。秋田としては粘り強く球際で競り合いつつ、仲間をサポートしてボールの出口を作りたい。
11月26日16時の時点で、秋田は山田 尚幸、久富 賢、青島 拓馬、饗庭 瑞生、下澤 悠太、長谷川 凌の今季限りの契約満了が決まっている。秋田のレジェンドである前山 恭平クラブコミュニケーターは、「控え選手の雰囲気がそのチームの雰囲気」だと言った。秋田が一体感のあるプレーを見せられるのは、この5人のようになかなか出番を得られなくても、ひたむきに日頃の練習に取り組んだ選手がいたからこそ。
武は「ホームで勝ちを届けたいし、チームを去る選手たちを笑顔で送り出したい」と話す。それは多くのサポーターも同じ思いだろう。ソユースタジアムが一体となって、彼らのこれまでの貢献を称えるとともに、勝利の笑顔を分かち合いたい。
[ 文:竹内 松裕 ]

