岩手をクラブ史上初となるJ2昇格に導き、J2初陣で歴史的初勝利をもたらした秋田 豊監督が、かつて率いたチームのホームスタジアムに帰ってくる。岩手の秋田監督が町田を率いていた時期は、2012年11月から2013年の6月まで。成績不振により、その任を解かれた人物が“野津田”へ帰ってくる。
岩手の平均身長はリーグトップクラス。高さを全面に押し出し、相手のウィークポイントを狡猾に突いてくるチームカラーは、前節・千葉戦の勝利で実証された。「実にアキさん(秋田監督)のチームらしい」とは町田の深津 康太の弁。2013年に深津が町田に復帰する際、直々に口説いた人物が秋田元監督だった。通算在籍年数が12年目に入った深津にとって秋田元監督は恩人だが、勝負となれば話は別だ。東京Vのコーチとして指導を受けた高橋 祥平を含め、成長した姿を見せたい気持ちは強い。
ホームに迎撃する格好の町田は琉球との開幕戦でゴールを奪えなかった。それだけに、守備時は5バック気味に構える岩手の守備網を破壊するだけの攻撃力を発揮できるか、注目が集まる。また、中島 裕希、鄭 大世、ドゥドゥといった個性が異なるFW陣の中から、センターFWにランコ ポポヴィッチ監督は誰を選ぶのか、それも見ものだ。
対する岩手は町田との力関係を踏まえても、ボールを握られることは想定内。ブレンネルの打開力を生かしつつ、敵陣の深い位置で獲得したセットプレーから勝機を見いだす。そんな我慢の展開になりそうだが、それはある種、昇格組の宿命。割り切って戦えるメンタリティーは、時として、大きな強みと化す。アウェイ連戦の岩手にも、十分勝機はあるはずだ。
[ 文:郡司 聡 ]
