後藤 雅明がいなければ、今季、金沢はJ2にいなかったかもしれない。それくらい昨季の後藤は金沢にとって大きな存在だった。ビッグセーブやPKストップはもちろん、何よりハイボールを処理する範囲が広大で、対戦相手のクロスとセットプレーを何度も迎撃。後藤は石川県西部緑地公園陸上競技場の制空権を握り続けていた。完全移籍での在籍は1シーズンのみだったが、後藤の貢献度は金沢というクラブに大きな遺産として残っている。
そんな後藤が半年ぶりに“西部”に戻ってくる。今度は山形の選手として。再試合が決まった明治安田J2第8節・岡山戦での退場が取り消されたため、新天地でもここまでフル出場を続けている後藤。金沢にとっては勝利を収めるためには崩さなければならない大きな壁となる。
ただ、金沢にとってはそこにたどり着くまでに大きな課題がある。前節は仙台を相手に今季最多の4失点を喫したが、このところの課題はずっと同じ。簡単なミスやロストが極端に多く、失ってはいけない選手だったり、確実にパスをつながなければいけない場所でミスが目立っている。柳下 正明監督は仙台戦後、ミスをすれば「上位にいる新潟や仙台は確実にシュートまでいく」と話していたが、それは山形も同じ。昨季、一昨季と2年連続で4失点を喫している相手に同じことを繰り返せば、また大量失点が待っている。
[ 文:村田 亘 ]