期待感や緊張感が例年以上に高くなる大一番だが、そこでチームが掲げる『超攻撃的エンターテインメントサッカー』を存分に表現しながら勝利することが、最大のミッションとなる。そのための準備という面では、千葉に移籍した10番・横山 暁之以外の主力選手がほぼ残り、須藤 大輔監督体制の2年半で積み上げてきた藤枝スタイルの継続、熟成ができているのは大きなプラス。そこに「昨年足りなかった部分のストロングポイントを持っている」と指揮官も誇る新戦力が加わり、さらに攻撃力やクオリティーを高めていくことを目指している。
現時点では、目指しているところが高いこともあって満足できる完成度ではない。だが、ここまでの練習試合でも藤枝らしい攻撃的な戦いができており、新たなエースとして期待される矢村 健もコンスタントに結果を出している。新設のバックスタンドに初めて観客が入る中、観る人を楽しませる攻撃サッカーができるだけの準備は整っている。
対する長崎は、ファビオ カリーレ前監督の契約問題が長引いて、下平 隆宏ヘッドコーチが監督に就任することが発表されたのが2月15日。だが、実質的には始動日から指揮を執っているため、それほど大きなマイナスとはならないだろう。
昨季のJ2得点王を獲得したフアンマ デルガドをはじめ多くの主力が残り、個の力という面では大きな強みを持っている。それを生かしたカウンター攻撃は、藤枝にとっては最も脅威となる。それを物語っているように、長崎は昨季の明治安田J2第38節で藤枝に5-1の大勝を飾っている。
藤枝がボールを保持して攻め込む時間帯もあるだろうが、長崎がカウンターやセットプレーで勝機を見いだす可能性も大いにある。最終的な結果がどちらに転ぶかは予想しにくいが、非常にスリリングで見ごたえのある戦いになることだけは間違いなさそうだ。
[ 文:前島 芳雄 ]


