両チームともに決勝までは“無傷”で勝ち上がってきた。
グループステージからの参戦となった柏は2月の初戦でG大阪を下し白星スタートを切ると、シーズン再開後の湘南戦、大分戦で連勝を果たし、3連勝でDグループを突破。一発勝負となったプライムステージでは2試合ともにアウェイでの戦いを強いられたが、準々決勝では呉屋 大翔の先制ゴールと江坂 任の2ゴールによりC大阪を3-0で一蹴し、横浜FMと対戦した準決勝では前半早々にCKから山下 達也が頭で決めた1点をGKキム スンギュを中心とした粘り強い守備で守り抜き、7年ぶりの決勝進出を決めた。対して、AFCチャンピオンズリーグを戦っていたFC東京は、今大会にはプライムステージから参加。準々決勝で名古屋を下すと、準決勝では2020シーズンの明治安田J1王者に輝いた川崎Fとの“多摩川クラシコ”を武器であるセットプレーと堅守で制し、ファイナルへの切符をつかんだ。
両者の2020年のリーグ戦対戦成績は1勝1敗と五分。約4カ月の中断を挟んで迎えた7月の再開初戦で激突した三協フロンテア柏スタジアムでの第1ラウンドは、出足の鋭さやインテンシティーの高さで上回ったFC東京がセットプレーから決勝点を挙げて先手を奪った。そして10月に味の素スタジアムで行われた第2ラウンドはストロングポイントであるカウンター攻撃がさく裂した柏が3点を奪う快勝を飾り、やり返した。
互いにチームスタイルや戦い方を熟知していることに加え、ネルシーニョ監督と長谷川 健太監督といった勝負師が率いるチーム同士の決勝戦ということで、神経をすり減らすピリピリとしたゲームが繰り広げられることが予想される。自分たちの良さを貫きながらも相手の特徴を消すことで主導権をつかむことに長けており、堅い展開になることは必至である。
柏はリーグ戦で3バックと4バックを併用して戦っており、ファイナルの舞台ではどのような布陣で挑むのかキックオフの笛が鳴るまで読めない部分は多い。ただ、それはFC東京も同じ。シーズンを通して中盤の形は変幻自在であり、シーズン終盤にはCBの森重 真人がアンカーに入る形にトライするなど、さまざまな組み合わせが考えられる。勝ち方を知る両指揮官の采配には注目したい。その一方でハッキリとしているのは、ともに前線に“強烈な個”が君臨していること。太陽王のオルンガ、クリスティアーノ、江坂のトライアングルと青赤の永井 謙佑、ディエゴ オリヴェイラ、レアンドロのトリデンテはそれぞれが3人だけでゴールを陥れる力を持っており、1つのチャンスが勝負を決める可能性は高い。
ネルシーニョ監督の下、J1復帰1年目でタイトル獲得を目指す柏と、長谷川監督体制3年目の集大成として悲願のタイトル獲得を目指すFC東京。新年早々に笑い、2020シーズン最後の勝者になるのはどちらだ。
[ 文:須賀 大輔 ]


