ともにリーグ開幕戦から中3日での戦いとなるが、鳥栖はアウェイでの広島戦で開幕を迎えた。今季から新たに川井 健太監督が就任した鳥栖は19人の新戦力を迎えたが、開幕戦では立ち上がりから完成度の高いポゼッションを披露。昨季躍進を遂げる大きな原動力となったボール保持の質の高さは健在。大幅に戦力が入れ替わったことでベースの喪失が不安視されたが、それを一蹴するような見事な戦いぶりを見せた。ただ、後半はややペースが落ちてしまったこと。そして、得点を奪えなかったこと。結果としても引き分けに終わっただけに、満足のいくスタートと言えるまでには至らなかった。
一方の札幌はアウェイでの清水戦で開幕を迎えた。15分にルーカス フェルナンデスの今季チームファーストゴールで先制するも、その後はPK失敗など追加点のチャンスをモノにできず。後半に同点ゴールを許し、追いつかれて勝点1の獲得にとどまった。新加入の興梠 慎三とガブリエル シャビエルがこの試合では先発。ともに豊富な経験を持つだけに、今季で5年目を迎える“ミシャサッカー”のベースにもしっかりと適応。ペトロヴィッチ監督も「2人は良いプレーをしてくれたという印象を持っています」と手ごたえを語っており、勝点1とともにこの点は収穫と言えそうだ。
鳥栖にとって札幌は近年極めて分の悪い相手となっている。2017シーズンのJ1第34節での対戦以降、札幌が公式戦11戦負けなし、その間の成績も9勝2分と圧倒。しかし、直近の対戦となった昨季のJ1第36節では、鳥栖が前半に決めた樋口 雄太の得点を最後まで守り切り、札幌戦で4年ぶりの勝利を挙げている。2017年の二度目の対戦より前は鳥栖にとって相性の良いカードだっただけに、前回対戦の勝利で風向きが変わるのか注目したいところだ。
鳥栖と札幌の対戦の際は、移動距離の長さによる負担がコンディションに与える影響も少なくないが、現在札幌は熊本でキャンプ中。札幌としてみれば、移動による負担が軽減されるという点ではメリットと言えるだろう。また、両者ともにこの試合のあとに中2日でリーグ戦が控えている。開幕早々の連戦ではあるが、疲労も考慮してターンオーバーを行う可能性は十分に考えられる。リーグ開幕戦で出場機会のなかった選手たちにもチャンスが与えられることになりそうなだけに、ここでアピールし、選手層に厚みをもたらしたい。
ともにリーグ開幕戦は引き分けに終わり、週末にはリーグ戦のホーム開幕戦が控えている。今節で今季公式戦初勝利を挙げ、良い流れでホーム開幕戦に向かいたい思いを抱いているはずだ。ボール保持をベースとしたアグレッシブなスタイルが持ち味の両者。それぞれの武器で相手を上回り、今季最初の歓喜をつかむのはどちらか。
[ 文:杉山 文宣 ]
