札幌の前節はホームで清水と対戦し、2-0で勝利。堅い守備戦術が武器の清水に対してボール保持をしながらも得点できないまま後半に折り返したが、粘り強くボールを動かしたことでスペースやフリーの選手を作り出せるようになり、見事な連動からアンデルソン ロペスが先制点をゲット。その直後には金子 拓郎が得意の左足から鋭いシュートを決めて追加点。その後は清水が選手交代やシステム変更を交えて前に出てくるも、それをはね返して勝点3を獲得している。
そしてこの試合では今季初の完封勝利を達成。今季の札幌は攻守ともにアグレッシブに走り回り、それゆえに後半中頃あたりから運動量が低下して失点をしてしまうような試合も見受けられたのだが、前述したように前節はボールを動かしながら戦う時間を長くできたことで、体力消耗も軽減されたのか、最後まで粘り強い守備を演じられていた。今後はアグレッシブな走り回りと、ボールを走らせるポゼッションとの融合が行われそうである。
一方、着実に気温が上昇しつつある5月末の北海道へ九州から乗り込む鳥栖は、前節にホームで鹿島と対戦して2-1で勝利。前半は持ち前のパスサッカーが鹿島のタイトなプレッシングに阻まれ、そこから先制点を奪われる展開となってしまったが、相手の策を見極めてからはスピーディーにサイドへ展開する形を増やし、そこからの打開にトライ。後半立ち上がりに山下 敬大の得点で同点とすると、そこからは攻撃をテンポアップし、守備でも強度を高めて鹿島に圧力を掛け続けた。そして79分に樋口 雄太が逆転ゴールを奪取。残り時間はそのまま鹿島を押し切ってタイムアップの笛を聞いた。
この勝利によって鳥栖は6戦負けなしという好調ぶり。特筆すべきは、勝利した試合のどれもが接戦を粘り強くモノにしているという部分だろう。集中力を落とすような局面がいっさいない試合を続け、その上で勝点を積み上げ続けているタフさは見事としか言いようがない。順位も3位という、見事な位置にいる。
そんなチーム同士の対戦だが、ともに直近のリーグ戦から中3日というスケジュールを踏まえると、総力戦になることは間違いない。そしてプレースタイルとしても札幌、鳥栖の双方がハードワークをベースとし、さらにボールをしっかりと動かしながら押し込むやり方を志向しているため、非常に見ごたえがあると言える。コンディション万全での対戦が見たかったという思いもあるが、この両チームならばタイトな日程の中でもエネルギッシュな攻防を見せてくれることだろう。
[ 文:斉藤 宏則 ]

