横浜FCのグループステージ突破の可能性は、たとえ残り全勝でグループ2位に入ったとしても、全5グループの中で成績上位の3チームしかプライムステージに進めないことから、限りなく低いと言えるだろう。そもそも昇格チームである横浜FCにとって、ルヴァンカップは獲るべきタイトルというよりも、リーグ戦に絡めない選手に出場機会を与え、新戦力発掘と選手層の底上げを図る意味合いのほうが強い。ここまでは3試合ともほぼ完全ターンオーバーで臨み、そこでアピールしたカプリーニ、吉野 恭平、林 幸多郎、新井 瑞希、小川 慶治朗らがリーグ戦に抜擢されている。
週末のリーグ戦の合間、3連戦の中日に開催されることから、今節もリーグ戦の主力を温存し、あわよくば今季未勝利の苦境を救う選手の出現を求めて、大幅なターンオーバーが確実視される。『U-21枠』には、前節・名古屋戦でプロデビューし約90分間プレーした高卒ルーキー・宇田 光史朗が引き続き起用される見込みだ。
最も期待されるのがGKスベンド ブローダーセンだ。東京五輪ドイツ代表で2021シーズン途中に横浜FCへ加入すると、卓越したセービング能力で不動の守護神となり、昨季のJ1昇格に大きく貢献した。今季は足元の技術に優れた永井 堅梧に正GKの座を譲り、3月初頭にトレーニング中に他選手との接触で脳震盪を起こして休養していたが、前節でヘッドギアをつけて今季初出場。ロングボールに飛び出して相手選手と接触しPKを与えてしまうなど、試合勘不足は否めなかったが、そこさえ戻ればシュートストップはチーム随一。リーグ戦で大量失点が続いているチームを救うため、この試合で完全復活をアピールしたいところだ。
一方の名古屋にとっては、勝点9を握って首位にいるとはいえ、リーグ戦首位の神戸、同3位の広島との対戦を残すだけに、最下位の横浜FC相手には絶対に勝点3を確保しなければならない。と同時に、若手や出場機会の少ない選手に経験を積ませるためには、前節と同様に守備陣の主力を多く残し、安定を図りながら攻撃陣を入れ替える編成になりそうだ。
ケガから復帰してきた和泉 竜司や河面 旺成、『U-21枠』ではU-20日本代表の甲田 英將のほか、名古屋U-18から2種登録されて第3節に出場した貴田 遼河らにチャンスが与えられる見込み。FWでは酒井 宣福が現在4ゴールで得点ランキングトップに立っている。前節も横浜FCから2ゴールを決めており、リーグ戦でのスタメン争いのためにこの試合でもどん欲にゴールを狙うだろう。
[ 文:芥川 和久 ]
