リーグカップ戦への参戦は今回が初めてとなる北九州は今季の明治安田J3で未勝利だが、内容は悪くない。昨季から選手が大幅に入れ替わる中で、増本 浩平新監督による“ハイプレス・ハイポゼッション”と、状況に応じて狙いを変える新スタイルも順調な浸透を見せている。
しかし、今季の新戦力でキーマンの1人になるとみられていた矢田 旭がリーグ開幕戦で左ハムストリングスの肉離れを負い、1カ月超の戦線離脱に。開幕戦で攻撃のリズムを作り出した同じく新戦力の牛之濵 拓もコンディション不良でリーグ前節・岩手戦はメンバー外になった。軸として期待された経験豊富な2選手の離脱は、チームにとって痛いところ。
ただ、開幕戦をコンディション不良で欠場した主将の井澤 春輝が岩手戦で矢田がプレーしていたトップ下で先発し、攻守で存在感を示した。また、牛之濵がプレーしていた左サイドハーフに入ったプロ2年目の岡野 凜平も好パフォーマンスを披露。そして、チームも引き分けによる今季初の勝点を獲得。新戦力の穴を既存戦力でしっかりと埋められるチーム力を示しており、大きな不安とはならない。また、大分戦のあとのリーグ戦は3月16日のJ3第4節・沼津戦(第3節・八戸戦は4月21日開催)と日にちが空いているので、増本監督も思い切ったメンバー選考が可能であり、選手も全力を出し切ることができるはず。
大分はキャンプ時から負傷者が続出し、それが今季未勝利に少なからず影響しているとも思われるが、そういう苦しい状況の中でもしぶとく勝点を積み重ねていることは前向きに捉えることもできる。ただし、この一戦のあと、中3日でアウェイでのJ2第3節・藤枝戦が控えており、負傷者の回復次第でこの“九州ダービー”での十分なターンオーバーができない可能性がある。
北九州がアップセットを実現するためのポイントとして挙げられるのは、片野坂 知宏新監督率いる大分が今季スタイルとするハイプレスからのスピーディーな攻撃に対応できるかどうか。プレスをかいくぐるためのビルドアップの積み重ねをしてきたが、それがどこまで通用するか。
大分が勝利を手にするためには、やはり台所事情が苦しい中での片野坂監督のメンバー選考がポイントになりそう。特に今大会の1stラウンドは一発勝負で、90分で決着しない場合は前後半各15分の延長戦とPK戦もあるので、その重要性は増してくるはずだ。
北九州と大分は開幕前のトレーニングマッチで対戦している。45分×3本、30分×1本の変則的な形で実施し、トータルスコアは北九州が2-1の勝利。下位カテゴリーの北九州にとっては自信になるが、増本監督は「あくまでもプレシーズンの結果。公式戦での力の発揮は当然変わってくる」と気持ちを引き締めており、選手もそこは十分に理解。このトレーニングマッチの結果が及ぼす影響も今回の見どころの1つとなる。
[ 文:島田 徹 ]


